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9.
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時折ガヤガヤした声が通ったり、チャイムの音を微睡みの中耳にする
目を開けると、真っ白なカーテンに囲われた天井が見えここが保健室なのを理解する
あのままずっと眠り続けたらしく、もう夕方で西日が保健室に差し込む
「起きたか?」
「(コクリ)」
「んじゃ、1回熱計って」
大人しく体温計を脇に挟み音が鳴るのを待つ
ピピッと音がなり近くで音が鳴るのを一緒に待っていた朝塚に渡せば
「37,9分ね……まだ熱あるから大人しくしてな、もう少ししたら柊生も来るから」
前回の時より柔らかい口調で話をしてくれる朝塚
前はガラスが額に刺さってしまい、血が止まらず保健室に入るとうるさいのはお断りだと追い返された
その時ガラスを割ったのは自分ではないが風紀員に呼び出され俺後やったと処理され反省文まで書かされた
それも嫌がらせの一環か、大抵の校内の破損は全部俺のせいにされた
「おーい入るぞー」
「お前……せめてノックくらいしろよ」
「へーへー」
「する気ないだろ」
「お察しの通り」
「ったく……さっさと陽佳院回収よろしく」
「了解〜……熱は?」
「昨日よりは下がったけどまだあるよ」
だいぶ2人の仲がいいのが会話と雰囲気からわかる
俺に近寄り豊森は寝ている俺の頭を撫でながら会話を進め朝塚から薬をもらう
「陽佳院、お前しばらく俺の家で療養な家つっても教師も寮にすんでるから別棟になるだけだが」
「……?」
「どうせ寮に帰っても、休めねぇんだろ?だったら俺の部屋に来ればいい」
確かに、寮に帰ればこの時間帯ならもうあいつらは部屋にいるだろうから休めはしない
あいつらは俺の体調なんて気にも止めない
豊森の案は嬉しいが本当に良いのだろうか?助けることになってしまったから嫌々のはずだ
「まぁ、拒否権ないから連れてくけどな。」
「定期的に水飲ませろよ、そいつ」
「はいよ、んじゃ帰るぞ」
「(歩けるよ……)」
「……歩くとか言うなよ?お前の歩きに合わせてたら日が暮れる」
軽々と俺をまた姫抱きをする豊森にソワソワする
朝塚が小さめのブランケットを俺の上にかけ、冷えピタを張り替える
そして、豊森の部屋へ向かう
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