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「 良いよ、今日は許してあげる。それにしても…付き合ってから大分経つのにまだ馴れないんだね、まだ夢みたいだとか言うの?」
8月で一年なのに…と少し強めに引っ張ったせいか、ほんのり紅くなった晴人の頬を慈しむように優しく撫でる貴文。
今は6月、一年まで後少し。
彼の言うことは分かってはいるのだが、如何せん照れ臭いのだ。確かにこうやって大好きな彼と付き合う事が出来たのは、夢のようだと未だに思う節があるのも事実。
しかし貴文はもう、自分のもの。
夢が叶ったあの日から、自分だけのもの。
「…だって、ほら。」
優しく撫でる貴文の手に自分もそっと手を重ねた。照れ臭い、だからこそ言葉が出ない…そんな理由では駄目だろうか。
詰まる言葉に熱くなっていく頬。
(冷たくてきもちいい)
恋人を想えばこんなにも体温が高くなるのかと、上昇していく熱。
堪えきれない…そう思った瞬間、心地の良い貴文の手を握りしめる。
「だってじゃ分からないよ。ちゃんと言ってくれないと、僕には伝わらない」
意地悪な彼の事だ、きっと分かってるであろう晴人の解答を自らの口で言わせたいのだ。
照れ臭いを通り超し恥ずかしくなって来たのか、恋人から視線を泳がす自分は今、惨めな顔をしているんだろう。
「…恥ずかしーしぃ?照れ臭いじゃん。」
「相変わらず変わらないね、何時まで経っても」
撫でる手を放し、恋人繋ぎに変える。
大好物であるはずのイチゴパフェなど今は目に入らないほどに、自分の心は貴文でいっぱいいっぱいだった。
いくら長い時間付き合って居ても、このドキドキは収まらないのだ。いや、収まる処か日に日に悪化していく…晴人にとって貴文は麻薬そのもの。
麻薬の中毒性に似た甘い誘惑、彼なしでは自分はきっと生きて行けないだろう。
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