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とうちゃく
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「へぇ」
一人暮らしする分には広くも狭くもない
少し散らかった男の部屋
そんな感じだ
「とりあえず制服はここにかけて置いて
今風呂溜めるから
んー、飲み物、えっと、まぁいいや
ソファとかその辺適当に座ってて」
テーブルには灰皿と煙草
吸殻が結構溜まってる
相当吸うのか、それともズボラなだけか
ま、後者だろう
「ふぅん」
2人がけのソファに腰かけるとふわりとあの人の香りがする
目代先生が担任になって今年で3年目だ
先生は覚えてないだろうな
でも別にそれでいい
俺が覚えてさえいればそれで
問題はない
「悪いな
風呂は直ぐに溜まるから
…ってあぁ全然髪拭けてないぞ
ちょっとそのタオル貸して目瞑ってろ」
「…ん」
わしわしと頭を包み込むように強く
でも案外丁寧にタオルで水分を吸われる
「全く
風邪ひいちゃうだろ」
軽く頭を撫でられて髪を梳かれる
きっともう大丈夫か触って確かめてるだけなんだろう
「先生」
「ん?」
「俺、手冷たい」
「あぁもうそろそろお湯も溜まってるかな
風呂の準備はしとくから先に入…」
「…先生手温かいね」
先生の大きな手を両手で強く握ると
温かいその手から、表情から
戸惑いを感じる
「そ、そうか?
雨で冷えたんだろ
ほら、風呂場こっちだから」
「雪山で遭難した時に人肌で温め合うって本当かなぁ」
「さ、さぁどうだろうなぁ」
本当は振り払いたいんだろう
でもそれは出来ないはずだ
あなたは教師で、俺は生徒だから
俺は、ただそれを利用する
「まだもう少し後で入る
それまでの間、撫でて」
あ、変な顔してる
「撫で…うーん、そ…そうだなぁ
少しだけだぞ
風邪ひくから早く風呂の準備しろよ」
「うん」
なでなで
そんな感じじゃない
髪を拭いてくれた時のように少し乱暴だけど
でも、それでいい。
十分だ
嬉しいよ
先生。
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