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Love is in danger10
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昨日のやり取りを思い出したら鼻の奥がツンとして、涙が滲みそうになった。宮本の肩口に額を押しつけて、泣き顔が見えないようにやり過ごす。
「ごめんね、陽さん。駄目になったときのことを考えたら、逃げ出さずにはいられなかったんだ」
「そうかよ……。そんなお前のことを、俺はこうして追いかけるしか手がないのな」
「うん。ちゃんと捕まえてくれるから、抱き合うことができてるね」
橋本の耳に宮本の囁きが聞こえた瞬間、躰がくるりと横回転する。気がついたときには、重たいものが自分の自由を奪う形で乗っかっていた。
「んくっ!」
後頭部に床の硬さを感じるくらいに押しつけられる唇は、息ができないほど激しいものだった。
「あ……っは…ぁ」
ひとしきり激しいキスのあと、酸素を取り入れるように呼吸する橋本と宮本の唇との間に、透明の糸が引く。
「陽さん、ごめんなさい。これからは逃げないで、言いたいことはちゃんと伝える努力をします。だから――」
「…………」
「き、嫌いにならないでっ…くださ、ぃ」
(まったく。コイツときたら、俺の気持ちを分かっちゃいねぇ――)
「雅輝を嫌いになるなんて、いつ言ったんだ?」
「それは! その…むぅ」
「何度お前に好きって言えば、俺の想いは伝わるんだ。いい加減にしろ」
さっきまでとは違う橋本の甘やかな声に、宮本の太い眉毛がだらしなく下がった。
「陽さん……」
「俺もお前の傍にいたいから、努力を怠らない。だから雅輝も頑張るんだぞ」
「うん、うん!」
「トップスピードのままに愛してくれよ。俺もそれを返してあげるからさ」
「容赦しないよ、大丈夫?」
「きっと大丈夫だ。雅輝をめちゃくちゃ愛して」
掠れた橋本の告白の続きを宮本の唇が塞ぎ、強請られたことを実践すべく愛が育まれたのだった。
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