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「♪~~♪~~~」
ほんっとに楽しそうに歌うよな。
そんなに楽しそうに歌われると俺も楽しくなってきて、 俺も天才だと錯覚しそうになる。
そう思うくらい、歌とギターを合わせてみて、改めてはっきりわかったことがある。
「ひとつ言って良い?」
「♪~……何?」
「やっぱり俺のギターにはお前の歌が一番だ」
「オレもひとつ言って良い?」
?
日崎はいまだに笑っている。というかにやけている。
「俺の歌に合うのはお前のギターだけだわ」
「…!ありがとう」
さっきまでちょっと不安だったけど、日崎がそうやって屈託なく笑って言ってくれたことで、全力でかき鳴らせる。
やっぱ最高のボーカルだ。
こんなに(俺にしては)打ち解けているのに、まだ最初に話したあの日から3日ぐらいしか経っていないことに気づく。
他の男子とタイプはそんなに変わらないはずなのに。同じバンドの話で盛り上がれるというのもあるけど、きっと他の人とは違うなにかがあるんだろな。
途中から足を踏み鳴らしてドラムをつけたり、1人もいないオーディエンスに向かって声を荒げたりした。
「もっと盛り上がりやがれフロアーーー!!」
「イエーイ」
「もっともっとーー!」
「イエーイ!!!」
日崎がマイク代わりのスマホを俺の方に向けてきたから裏声で応えてやったら、日崎は腹を抱えて爆笑しだした。
「ははは、マジ最高!」
「アリガトウ」
子首をかしげて上目遣いで見上げると、今度は笑いすぎてブランコから崩れ落ちた。
「北田のせいでズボン汚れたー」
「シラン」
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