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そうやって、俺たちは毎日の昼休みと放課後を一緒に笑った。
まだ一週間ぐらいしか経ってないけど、わかったことはたくさんある。
笑うと右の頬にだけえくぼができること、お兄さんがいること、ライブハウスで俺に何回か出会っていたこと。そして──
「北田って兄弟いんの?」
「姉が2人いる。社会人と大学生」
「あー、ぽい」
「ぽいってなんだよ」
やたらと俺に興味を持ってくれてること。
日崎が苦手なんて意識はとっくにどこかに行ってしまった。
前川と橋元も、俺に必要以上に関わってこないし、結構大丈夫そう。
「文化祭楽しみだなー」
去年は人に酔って始まる前に早退したぐらいだったのに。
それともう1つ、俺に変わったことがある。
「北田最近寝てないじゃん」
「お前がメモ回して来るからだろ」
そう、授業中に寝なくなったこと。
『今日の弁当オムライス!羨ましい?あげないけど(笑)』とか『あの先生絶対ヅラ』とか、しょうもないことを書いて回してくるから寝るに寝れない。
俺が寝ちゃったら渡してくれる女子が困るだろうし。
何より、メモの内容が楽しみになっている俺がいる。
起きてるから当てられても答えられるし、授業の内容もすぐ理解できる。
「マジで俺変わりすぎだろ…」
日崎のせいで──日崎のおかげで。
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