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≪マジで!?今年のぶんもうお祝いできないじゃん!
オレは12月17日 飛行機の日らしいよー≫
これは……飛行機なのか?
文字の横に日崎なりに頑張って描いたと思われる翼を得た帽子のようなイラストがあった。
ためしに俺もノートの端っこの方に描いてみた飛行機が思ったより上出来だったから、ちぎって回そうと思ったところで、教師が板書を終えた。
日崎からもらったメモは何となく捨てるのが惜しくて、筆箱の中にあるポケットに保管している。
きっとふせんとかクリップとか入れとく場所なんだろうけど、俺にはその良い使い方が分からないからメモに占領されていた。
てか来年の俺の誕生日はお祝いしてくれるつもりなんだ。
日崎の誕生日、何をプレゼントしよう。音楽関係のものが良いかな?でももう持ってるかもしれないもんな……。
12月になる頃にはそれが分かっていたらいいな、なんて思う。
≪昼休み楽しみにしといて!≫
次の数学の時間でも回ってきたメモ。
意味がわからなくて日崎の方を見ると日崎は人差し指を唇に当てて笑った。
秘密、らしい。
その柔らかい笑顔に、昨日のことがフラッシュバックする。
「──っ」
思い出した感触に鼓動がリンクし、クーラーは効いてるはずなのに、汗が吹き出てきた。
机に伏してもしばらく熱が冷めなかった。
チャイムはいつもの時間に鳴るはずなのに、全然鳴らない気がした。
──俺、期待してる?
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