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「奏斗はさー、相撲、好き?」
慶太さんにハンカチを返すや否や、慶太さんに質問された。
「相撲...ですか」
僕はうーん、と唸る。
「よくわからないです。あ、でも、嫌いじゃないかな、テレビでやってたら、つい見ちゃうし」
「本当!?」
慶太さんが前のめりになり、満面な笑みを見せた。
「僕さ、高校選び、失敗したなあって思ってるんだよね」
「高校選び、ですか?」
うん、と慶太さんが頷く。
「相撲部のある高校にすれば良かったなあって」
「相撲部....」
僕は唖然とし、慶太さんを見た。
僕も細い方だけど、慶太さんも華奢だ、それに、とても綺麗で可愛い顔立ち。
(....こんな人がお相撲さんになりたいだなんて)
人は見かけによらないな、と感じた。
「あ、でも、アレですよね」
「ん?」
「めちゃくちゃ食べないといけないですね、ちゃんことか」
「だね、ちゃんこかあ....」
慶太の脳内は、畳の一室。
浴衣姿のお相撲さんの正面に座り、鍋から取り分けたちゃんこの器を手にしている自分。
フーフーと息を吹きかけて冷まし、あーん、と食べさせてあげ....、美味しい?ごっつぁんです!
と満面の笑顔を浮かべ....。
「慶太さん、慶太さん」
「え?」
「涎、垂れてます」
奏斗の平静な声に我に返り、慶太は慌てて口元をハンカチで拭った。
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