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「俺の家族と過ごしてみてどうでしたか?」
俺の家族と過ごしてみてどうでしたか?
俺の心の中で奏さんのその言葉が反芻する。
そしてその言葉が俺の心に、深く暗く沈んでいく。
「……、お前の家族と過ごすのが、俺の誕生日プレゼントってことか…」
俺は鼻で笑う。
「叶さん…?」
「本当の家族がいなくて可哀想な叶さん。俺が家族の温もりを教えてやろう、って。さぞかしいいい気分だっただろうな……」
自分でも驚くほど低い声が出た。
「あのさ、俺にもさ、父親とちゃんと絆があるんだよ…」
奏さんはとても悲しそうな表情だった。
それでも俺は自分で自分を抑えきれなかった。
「それをなんでお前に教えなかったのか、今、教えてやるよ」
鏡を見なくてもわかる。
俺は今、とても醜い顔をしている。
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