アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1
-
「わりーな! 湊っ、俺彼女できちゃったー」
「……は?」
いきなりの爆弾発言に、まるで時が止まったかのように表情が強張った。
俺、井上 湊(いのうえ みなと)と同じで、目前に立っているのは冴えない平凡男。
そう。俺と同じ人種だから、友人の林 幸太郎(はやし こうたろう)にも彼女なんか当分出来ないって思っていたのに。
「う、嘘だろ!?」
「残念! それが嘘じゃないんだよ~」
「……先、こされた?」
「悪いなっ」
満面の笑みで謝罪されたって、何も伝わってこないし余計に悔しくなるだけだ。
自然と眉尻が上がっていくのが、自分でも嫌という程よく分かる。
「つか、何処で知り合ったんだよ。ここ男子校だろ? お前、学校終わったら即帰ってたじゃん」
「ふっふっふ。それがさ、この数ヶ月俺はお前に内緒でちょっと頑張ってたわけよ!」
「は? 何だよ、教えろよ」
「どうしよっかなぁ」
有頂天になっている幸太郎の笑顔を、歯を食いしばりながら見つめる。
畜生。俺より先に彼女が出来たからって、調子に乗ってたら痛い目見るんだからな!
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 65