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ご褒美①*
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はやく紫音に会いたい。
玩具屋から車に乗せられ、行き先もわからないままこれが帰路であることを切に願った。
外の景色を見ていると、見覚えのある道に戻ってきた。
車は紫音の家のあるマンションに停まり、狼男はおれを玄関まで見送った。
「紫音っ!」
玄関ドアを開けて一番に紫音を呼んだ。
寝室から足音が聞こえて紫音が玄関に迎えにきてくれた。
「久遠、おかえり」
「ただいま、紫音…っ」
帰ってこれた安堵感と、紫音が家にいてくれた喜びで心底安心して紫音に抱きついた。
紫音はいい子いい子と頭を優しく撫でてくれて、背中をぽんぽんと宥めてくれた。
「怪我はない?痛いところは?」
「大丈夫!紫音は…?お仕事、行ったの…?」
「うん、僕は大丈夫。えらいね久遠、頑張ったんだね」
あぁ、紫音は優しい。
紫音は自分の仕事のことを話さないんだ。
おれは自分のことで精一杯で、紫音のことを考えたこともなかった。
紫音が態度に出さなくたって、隠しきれない首輪の痕とか、手枷の擦れた痕が見えた。
こんなに優しくて、温かくて、おれのことを思ってくれてる紫音をなんで疑ったんだろう。
「ごはんを用意するから、ゆっくりしてて」
「うん」
リビングのソファに座って、家の匂いに安心してそのまま横たわった。
連日の疲れと緊張感が解かれてソファに体が心地良く沈んでいく。
すーっと意識が遠くなってうとうととしてきた頃に、シチューのいい匂いが漂ってきた。
「久遠、ごはんだよ。寝ちゃったかな?」
紫音の声が聞こえてるけど、まぶたが鉛のように重くてなかなか目をあけられない。
シチューの匂いと紫音の声。心地良くて、ふわふわと幸せな気分だ。
「久遠?」
ぎし…とソファに紫音の体重がかかるのを感じた。
紫音はおれの髪の毛をさらりと撫でてかきわけ、おれの頬にキスをした。
「ん…」
「まだ起きないの、久遠」
そういって、猫耳をいじって耳先をくにくにと弄ぶ。
「ん、ぅ…」
「おやすみ、久遠」
*********
「……?」
寝てしまったみたいだ。
ソファで寝ていたはずなのにすごく居心地がよかった。
目を開けると、紫音の顔が目の前にあった。
紫音が膝枕して、毛布をかけてくれていたみたいだ。
「よく眠れたね、久遠」
紫音がおれの髪を優しく撫でた。
「…ありがとう。ごめんね紫音、ずっと居てくれたの?」
「うん、久遠の寝顔が可愛くて」
「…/////」
紫音に甘えて膝に頬を擦り寄る。
「……!」
頭にふに、と柔らかい感触がした。
紫音の欲の中心があるところ。そう気づいたら少しエッチな気分になった。
「…紫音、あの…この前してくれたみたいに、…おれ、…」
「?…なに?」
「その…く、くちで…紫音の、…シて、お礼したい…」
「口?そうだね、まだ教えてなかったね」
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