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堕ちる影
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ゆらり、ゆらり。
死神と出会ったときから毎晩行う不思議な儀式がある。
僕がぐったりと疲れてベッドに身を沈めると、死神がそっと上から被さって僕の頬を撫でる。
ただ、それだけ。
「ずっと寄り添っててやる」
「うそだ」
「嘘なんかつくものか、俺様は正直者だ」
「じゃあ、死ぬのも怖くないね」
「……」
白く冷たい手を僕の頬に添えて、死神は黙ってしまっている。
貴方は何をそんなに思い詰めているのですか。
毎日毎日、僕の側にいていいの?僕は嬉しいよ。
だって、貴方は僕の全てだから。
「死神?」
「フィソステギアだ。俺の名は、フィソステギア」
「ふ?…ふぃそ、ステギア?綺麗な名前、死神だと思えないね」
「そうだろう」
死神の手が再び僕に触れると、その手は冷たいのに不思議と心臓が温かくなる。きっと、魂が削ぎ落とされて熱を持っているんだろうな。
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