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仰せのままに
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疲れてしまうのが早くなってしまっていたけれど、段々と遠出も出来るようになっていた。
死神と一緒に色んなところへ出掛けた。
その思い出ひとつひとつが、僕の、タカラモノ……
「ありがとう、フィソ」
「礼などいらぬ、ずっと側にいてやるのだからな」
「そうだね、でも眠いや……」
僕はその翌日、息を引き取りました。
余命宣告されてから五年と半月、正に奇跡の時間だったそうです。
それは17歳の誕生日を迎えた翌日の事でした。
朝いつものように起きて来ない僕を心配して母が起こしに来たら、穏やかな顔をして眠るようにしていたそうです。
母は涙を流して微笑んでいました。寄り添う父も同じでした。
そのとき、ぼくの周りには桃色の可愛らしい小さな花弁が沢山散らばっていたそうです。
共に寄り添うように、優しく優しくそこにいるように母は見えたそうで、僕に手向けてくれる花を必ずはなの虎の尾という奇抜な花を探してきてくれます。
ちらり、ちらり。
僕は幸せな時間をに貰いました。
命が亡くなった今も何だかとても幸せなのです。
ありがとう、ありがとう……
愛しているよ、フィソ。
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