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「怖い?」
彼の言葉を反芻する。恐怖とは、ざらついた感情だったはずだ。それとは違う。今僕の抱いている感情は、恐怖ではない。
「拒絶は恐怖からくるものでしょう? 最初から冷たいけど、っていうか冷たく振る舞おうとしてるっぽいけどキャラ的に合ってないからやめといたほうがいいよ。キャラチェンしとこ? 設定変更まだ間に合うよ?」
「………………………君の、………」
「うん」
「………………言うことの八割が理解出来ない」
諦めて手を額にあてる。そしてまた、仕方なく彼を見上げる。
「え、なんで? ジェネレーションギャップ?」
「違うと思う」
「ああ、……自分はまだまだ若いって思ってるタイプだぁ……」
「………………本当に君は目解の人間らしくないなあ」
「ディスった?」
「うん?」
「ねえちょっと、現代語もうちょい理解しててよ」
「君が普通に喋れよ」
「ぴえん」
「……………」
「からの、ぱおん」
「どいてくれない?」
「結婚してるとは本に書いてなかったけど、」
不意に手を触られて、また嫌悪感がゾワリと背中を撫でた。
左手の薬指に鈍く光る。
美しい日々。
「誰を愛してたの? 名探偵さん」
殺してくれと、本気で思った。過去に対峙したどんな殺人者でもいいから。今、僕を殺せ。
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