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「っていうか食べないのになんでおうちに美味しいお菓子があるの」
「兄が持ってきたんだよ」
はい?
「えっ、えっ、えっ、お兄さんいるの!」
聞いてないよ幸多くん!
礼介くんも微妙な顔してる。やべぇ、しくじった。あー。いやー。まずったな。知ってて当然だろ。
その話ぶりからするに、結構な有名人らしい。ヤバい。盲点つかれた。小説だと名探偵も小説家も一人っ子設定だったし、幸多も礼介くんも全然そんな素振りないから気付かなかった。一族の家系図くらい把握しておくべきだよね。驚きが強すぎて、おれは幸多役を忘れて自分の言葉で話をしてしまう。
令史くんね。ふんふんなるほど。やべえ、知ってた。
っていうか昨夜、そいつサイドに捕まった吸血鬼の女の子を、カッタリィーヤ族と共に力を合わせ、助けようとして、ドンパチやらかしてんだけど。
あとついでに機密文書盗もうとしたけど、意外に出来なかった。おれからすればびっくり。だって警備ちょろあまちゅきめろラブアンドハッピーだと思ってたら性格悪いことしてくんだもん。なにあの原始的なパスワード。腹立つ。
うわあ。あれが名探偵の兄か。
「カッタリィーヤ語」
「もう一度言って?」
「…………アニメ観てないの?」
冷静になって、雑にごまかした。クリンゴン語もどうせ知らないでしょ。まったくもう。そんなんじゃいつまでたってもヴォイニッチ手稿解読出来ないよ。
それもアニメの単語? 礼介くんがおれをバカにした目で見てくる。でも愛。やれやれ系。そういう瞳の奥の温かさ。お兄さんの話もっと聞きたいって言ったら、厭そうな顔して嫌だと言われた。
「他に隠してることないの」
「別に隠していたわけでは」
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