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他人様の墓の前でアホほど泣いて、こんな顔じゃ帰れないからとわがままを言って、あのあと礼介くんの家に戻った。また幸多のとこに送迎されても困るし、全然まだまだ礼介くんといたかった。
チューしたい、という欲望を抑えた結果、逆に悶々としてしまい、おれはぐるぐるし始める。あっれぇ、そういう意味でおれこの人のこと、好きじゃないんだけどなあ。
だいたい関係としてはなんか血ぃ繋がってないけど近親相姦ぽいし、おれは嘘だらけだし、絶対まずい。よくない。倫理。正義。世界平和。ストップ地球温暖化。ダメ、絶対。
ねえじゃあ、チューだけしてよ、と目の前の女子が言うので、これはなんかの罠なのかと思ってしまった。タイミングよ。
「ええ、なんでですか」
「写真撮りたい」
「なんで」
「記念」
フラれた記念にチュー写とか、どういう情緒? 女って本当によくわからんなあ。おれの膝の上に問答無用で乗っかってきた生き物は、そのままスマホをいじりだす。
「あ、ごめんLINE一個返すわ」
「おいこら。ここ有料席なんすけど」
「あーはい」
「はいじゃねえのよ。誰? まゆゆ? ぴーすけ?」
「ちょお、覗くとか最低」
「あげぽよって返しといて」
「古語じゃん」
「いとをかし」
「ガチ古語じゃん。ウケる」
「…………………まだっすか?」
「もーちょい」
早くしてくんないと、ちんこ勃っちゃうんだけどなあ。おれ男なんすよ。そんな短いスカートでまたがんな。般若心経、般若心経。中身は知らない。南無阿弥陀仏? 色即是空?
早く、と催促しておれは女友達を抱きしめる。ちっちゃい。柔らかい。あとものすごくいい匂い。髪の毛長い。綺麗。腰細い。誰かさんを思い出すけどこっちのが断然いい。固いより柔らかいほうがいい。
「……ねー、マジで付き合わん?」
頭を撫でられた。
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