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だって思うのです。怪人が腹いせに拐かした女性がおれの母であって、怪人が父なら、おれが産まれるのは絶対におかしくって、そこにはなにがしかの無理矢理、があったはずなのです。
母は名探偵とお揃いの指輪をつけていました。心変わりをしたわけではないのです。矛盾。奇妙。母と父は愛しあっていました。疑問。歪曲。
「……酷くない?」
「ごめん」
おれのハグも有料なんでこれで許してください。そう言って抱きしめる。余裕で殴れるし蹴れるし犯せるし、女の子は小さくて柔らかくて弱い。でも尊いのでそんなことをしてはいけないのです絶対に。絶対に。絶対に。
「まあ変なこと頼んだから別にいいんだけど。そんな真剣に謝られたら、もて余す」
「……おれ、好きな人いるんすよ」
その言葉だけで彼女は、ああ、片恋なのねとわかってくれる。頭を撫でて、慰めてくれる。すごい。名探偵すぎる。優しい。おれは女の人を好きになるのが、怖い。
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