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『もう君に会えないんだ……』
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深夜1時 病院の二人部屋から
『もう君に会えないんだ……』
ベッドの上ですることもないのでスマホを弄っていた。
緑のアイコンをタップして一番上に表示されていた人物に迷惑なメッセージを送った。
入院生活もかれこれ1週間になるが未だ退院の目処は立っていない。
折角の冬休みが台無しだ。今年こそは彼女でも作ってクリスマスにデートしたり、友達とパーティーしたり、やりたい事で予定が埋まっていたはずなのに俺はなんでこんな時間まで起きてこんな事をしてるんだろうか。
相部屋だった男の子とは丁度入れ違いだったようで今は一人でこの部屋を独占しているがちっとも気が休まらない。
病院はなぜソワソワさせるのか。
ピコン
『死んでねぇよ』
そんな愛想の無い返事が来た時、俺はどれほど歓喜したことか。
思わずにやけて、素っ気ないその文脈にキスしてやりたくなった。
車のアイコン、本名、背景はどこかの夕陽と海
愛想の無い返事を返してくれたその人は会ったこともない社会人3年目の男性という設定。
『え、ポールガイ?』
俺は2分の間を置いて返事をした。
この人とは、もう1年半の付き合いになる。
共通のゲームで知り合って、意気投合して、今みたいなくだらないやりとりをして、本当にただそれだなのにこの人ともっと仲良くなりたいと素直に思った。
もともと好奇心は旺盛な方だと言うことも合間って自然とラインを交換し、未だに仲良くしてくれている。
『ポルターガイストを略すな
本気で戸惑ったわ、二度と使うなよ』
『だから死んでねぇって』
お互い違う時間軸で生活して、
ただ偶にこうやって暇つぶしにアホみたいなやりとりをするだけ。
真夜中の病室で。
俺の単なる気まぐれで。
この人の相手をしていると気が紛れてふわふわした気分になる。
あーー、俺この人と他愛もない会話して楽しいんだなって 本気で思うこの瞬間が特別でこのまま入院生活でも良いかなって考えてしまう要因。
『ゲームしようよ』
(送信を取り消しました)
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