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『なんで何も言ってくれないの』
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『なんで何も言ってくれないの』
今日は診断結果を受け取る日だった。
親は仕事で来れないと言っていたから俺一人個室の部屋に連れて行かれて、
なんとなく嫌な予感がした。
あぁ〜 俺、良くないんだ。 って察した。
『何も言われてないからだよ』
『プレゼン中に変なの送ってくんなよ。
変な空気になっただろが』
一人この個室で待つように言われ、ポケットに入れていたスマホを確認したら、例の人から返事が来ていた。
緊張からか肩に入っていた力が一気に抜けたのを感じた。
こんな些細なメッセージでこんなにも心が落ち着くなんて、もう俺はこの人と結婚でもしたのだろうか。
しかしながら、一番最初に送った張本人の俺が送った内容を覚えていなかったため、この返しにも検討がつかなかった。
何言ってんの、おっかしな人だな〜なんて、、、、俺じゃねぇかってな。
トーク画面を開いてようやく思い出した。
俺、緊張してこんな時間帯にメッセージ送ってた。
申し訳ねぇ。
普段、俺は真夜中にしか送らないようにしている。
一応は相手は社会人なわけだし、その辺はちゃんと配慮していた。
ただでさえ訳のわからないメッセージを送りつけているのに、仕事中だと尚のこと鬱陶しいだろうなと思って控えていたのに。
こんな10時とかいう時間にメッセージを送ったのは初めてのことだったかも知れない。
もしかしたら何回かあった気がしないでもないが。
そっか、プレゼン中だったんだ。
なんの仕事してんのかな。
どんなこと話してんだろ。
変な空気になったってことは俺のメッセージ見られたんだ。
うわ〜 それは嫌だなっていうか恥ずない?
この人、スーツとか似合ってそうだな。
ネクタイとか、意外と結ぶの下手そう。
考えれば考えるほど、その状況がおかしくて、ニヨニヨしてしまう
あまりにも不憫すぎて何も言えねぇ
『俺も今から先生とツーマン』
『愛してるよ、darling!!!』
それだけ送って、半透明の扉の窓に人影が映ったので仕方無しにスマホをテーブルに伏せた。
だからのちにこんな返事が来てることなんて……。
知ったのがお昼ご飯の配給前だったことがひたすら悔やまれた。
『うるせぇ
慰めにも何ねぇよhoney』
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