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side:奏夜
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side:奏夜
俺は組の仕事を従順にこなしている。見張りのつもりかずっと島田と行動させられて、正直、不満しかないが、ポチと言うエサをぶら下げられた俺は仕事をするしかない。
組には色んな班がある。
島田がまとめる情報班。
吉野がまとめる戦闘班。
ユウがまとめる救護班。
他にも様々な班があるが、勉強だと言って色々な班に回された。
そして、今日回されたのが調教班と呼ばれてる部署。
借金を返せずに、売られてきた奴らにウリをさせる為に色々教える場所だ。売られてきた奴の中でも、完全に落とされる奴と店に出される奴で扱いは違う。店に出される奴はラッキーだ。
完全に落とされる奴は壊れないギリギリまで攻められて、飼い主の要望通りにされる。
正直、胸糞悪いとしか言いようのない現場だ。
「奏夜さん、貴方も調教の仕方を簡単に知っておいてください。佐柳の調教はたいしたものでしたが、あれは佐柳の元々の素質とも言えるのですから、一度は体験された方がいいかと」
「ふざけんな、こんな胸糞悪い」
そう俺がいうと島田が笑う。
「佐柳をあれだけ痛めつられる貴方がなにを、今更、甘い事を。若頭として奏夜さんには冷酷になって頂かなければ」
「アイツは別だ。だいたい調教なんて、素人がすれば壊すだけだろ。プロが限界見て、やれ。それとも俺が壊すためだけの用途で用意された奴でも居るのか?」
俺が適当にあしらおうと鼻で笑って発した言葉に島田がまた不敵な笑みを浮かべる。
「この玩具なら壊しても構いません」
その言葉と同時に島田の後ろに控えていた奴らが鎖を引いてくる。差し出されたのは服も剥ぎ取られ寒さに震えている子どもと称した方が良いくらいの男の子だった。
「お前、自分が言ってること分かってるのか?」
本当に胸糞悪い。
壊していいだと?
こんなに幼さが残っている子どもを。返せなかった借金だってどうせ、親のもんだろう。
「何を今更ですか?情なんてこの世界では足枷にしかなりませんよ」
さらっと、告げる島田に嫌悪感しか浮かばない。
「ふざけんな」
睨み付ければ、何でもないように、微笑みさえ浮かべて返される。
「しないのであればペナルティーを与えるだけです」
「……チッ」
そう言われればするしかない。
見ず知らずの少年をペナルティーを与えられてまで庇う理由もない。
俺が渋々、震えているそいつの顎を取り、上を向かせる。
その瞬間、制止の声がかかる。
「島田さん、スットプです」
その声に島田が溜息をつく。
「私のミスです……瀬尾をここに配置していた事を忘れていました」
島田の呟きに振り返るとそこに居たのは瀬尾だった。
1度、瀬尾に嵌められはしたが、その後俺に有利な情報を流してきたり、ポチのメンタルケアしたりと敵なのか味方なのか未だに掴めない相手だ。
「勝手に壊すのは、辞めてください。この子はプロがメンタルケアしながら落とします。それにこの子には買い手がもう付いてますので」
「そんな報告受けてませんよ」
「さっき決まったんです、僕の管轄だからって意地悪しないでください」
カメラ越し以外で久しぶりに瀬尾を見るが、車椅子に手錠を繋がれたままで前回会った時よりも細くなったように感じる。
「別に貴方の管轄だからというつもりもありませんし、貴方には、ただここに居る商品のケアをしろとしか言ってません」
島田がうんざりしたように言う。
島田と同等にやり合う能力はあるが、瀬尾の立場はあまり良くない。
それこそ、幹部クラスの奴なら気分で瀬尾を殺しても何の問題もないくらいの扱いだ。そのくせ、瀬尾も噛み付くことを辞めようとしない。
俺は特に口を出す事もせず、成り行きを見守ることに決めたところで、第三者の声がかかる。
「島田さん、まあ、彼が来てから商品の品質が上がってるは事実ですし、壊れるものも減りましたから、こちらは助かってます。しっかり彼は働いてますよ」
そう返してきたのは、調教班をまとめてる冴島だ。ここまで瀬尾の車椅子を押して来たのもこの男で、ここで瀬尾が重宝されているのは事実のようだ。
苦虫を噛み潰したような表情を島田がする。
島田のその顔に俺は少し気分が良くなる。
「……分かりました。なら、商品には手を出しません。かわりに瀬尾が練習台になりなさい」
さっきの表情が嘘のように不適な笑を浮かべて島田が悪魔のようなことを言う。
そして、そんなめちゃくちゃな要望に瀬尾は躊躇いも無く頷く。
「分かりました。さえさん、ごめんけど調教室、一部屋貸して」
瀬尾にさえさんと呼ばれた冴島の方が狼狽ながら「えっ、いいですけど」となっている。
瀬尾は自分の身体に対して無頓着すぎる。
素人のする調教練習なんて壊される前提だ。
「冴島、貴方も見て行きなさい」
はい、としか言わせない口ぶりで島田が命じる。
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