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「幸夜くんは愛されてるんだね」
「うん〜、どうかな?愛されてたら放置して仕事にいく?仕事と僕どっちが大事なの!?なんて言うのは馬鹿だとは、思うよ?思うけどさー、ダメダメ尽くしなんだもん」
「ダメダメ尽くし??」
「そう!!外でちゃダメ、料理しちゃダメ、掃除してもダメ、ペット飼うのもダメ、ゲームもたくさんしたらダメ、他にもたくさんダメって言うんだもん」
「えっと……外でちゃダメなのは幸夜くんの事が心配だから?かな」
「分かってるよ!!それは、でもさーー。ポチくんも閉じ込められて暇じゃない??」
「うーん、僕は暇を感じるより寝てたり瀬尾さんと話したりする時間のが長いから……」
寝ているというより、熱で寝込んでいるのが正しいけどいう必要はないだろう。
「そうなの?良いなー、先生とポチくんは話せるんだ。まあ、流石に先生と話すのがダメなのは俺も分かるよ?元カレと会わせたくない気持ちは分かるし。でもでも、ポチくんと会うくらい良いと思わない??」
えっと、瀬尾さんって幸夜くんの元彼??
あれれ?瀬尾さんから、聞いたと言ってたのに会ってないの??
色々、聴きたいけど触れるべきでない??
「僕のことは瀬尾さんから聞いたんじゃないの?」
「そうだよ!だから、会いたいなって思って抜け出して来ちゃった」
「会ってないのに、どうやって僕の事聞いたの?」
「あっ、えっと、秘密かな?いや、ポチくんにならいいと思うんだけど、ここ監視カメラたくさんあるし。あとでたぶん聞かれるから」
「じゃあ、ここに居るのすぐバレて怒られるんじゃない?」
「そう!だから、ちゃんと、しばらく時間置いて来たんだよ!此処なんて距離的にも近いし、1番に監視カメラチェックしてると思う。だから、その時見つからなかったから2回目調べるのは他を全て探してからじゃん?普通。そもそも、霜時さんが悪い。俺を退屈させたから」
悪戯っ子の笑みで幸夜くんが笑う。
「幸夜くんは暇で遊びに来たのなら、此処もそんなに楽しませれる事ないよ?」
「そんな事ないよ!!俺、友だちいた事ないから、ポチくんと話してるだけでちょっとワクワクしてる」
全部捨てた僕にこの状態で友だち。
不思議な感じがする。
「友だち……部屋から抜け出した幸夜くんとこうやって話してる僕を友だちとして、ここの人達は許してくれるかな……」
「そこは、俺に任せて!なんだかんだで会ったもん勝ち。あとは色仕掛けで」
幸夜くんの行動でどれだけの人が走り回っているんだろう。
それは幸夜くんにとって日常で、当たり前なのかもしれない。
奏夜さんは友だち許してくれるだろうか。
もしダメって言われたら、幸夜くんにごめんねって言わなければいけない。
許可が出る可能性の方が低い気がする。
「なれるのなら……幸夜くんと、友だちになっても良いって、許可がでるなら是非なりたい。でも、もしダメって言われたら秘密の友だちかな」
「本当!?やった!!きっと大丈夫!!許可出るはず!!ねぇー、俺の部屋行こう?今度から霜時さんいない時遊びにきてよ!」
「許可がでないと僕はここから出るのはダメだから今は無理かな」
「あー、そっか。残念。ちなみポチくん、本名なに?先生がポチくんって教えてくれたからそう呼んでたけど流石に名前違うよね?」
「あっ、うん。でも、今はポチだから、ポチでいいよ」
「そうなの??ポチくんがそれでいいから良いけど」
「うん、僕はポチでありたいから」
「そういえば、よく見たらめっちゃ怪我してるじゃん、何で??それ大丈夫なの?」
「怪我は愛情表現の現れ的な??手当てもしてあるから大丈夫だよ」
「えっと、うーん、訳ありか。まぁ、ポチくんが良いなら、いいや!俺はいくら愛情の現れでも痛いのはヤダけど」
そう言うと、幸夜くんは笑った。
この笑顔のために犠牲になったんだろうな。奏夜さんのお母さんは……。
どんな気持ちで奏夜さんはここに居るのか、分からない。
分からないけど、僕は奏夜さんを笑顔にしたい。それが出来ればきっと幸夜くんの笑顔が無くなることも、奏夜さんの不幸が生まれることも、もう起こらない。
ただ、まだ幸夜くんと奏夜さんを会わせる訳にはいかない。
ここを奏夜さんが見る前に幸夜くんには帰ってもらったほうが得策だろう。
それにお迎えも来たみたいだから、鉢合わせの心配は無さそう。
「今日はもうタイムアップみたいだよ、幸夜くん」
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