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樹と優太
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潜在的にMの気質があったのかもしれないが、樹によって引き出され、次第には翻弄されていった。
樹に教え込まれた言葉の数々。
「樹さま、樹さまのその極太ちんぽで僕のいやらしい穴をめちゃくちゃにしてください」
「もっと激しく突いて、樹さまの種を存分に与えてください」
躊躇なく、恍惚とした表情で樹の激しい攻めを受け止め、そして、惜しげも無く、穴を晒す。
暫く、バイブで一人遊びしていた航平を弄んでいたら深夜になっており、疲れ果てたのか、絶頂した途端、航平は眠りについた。
「....ちょっと、やり過ぎたかなあ」
その寝顔を肘をつき見つめながら、樹は小さく呟き、航平の鼻先を優しく撫でた。
「....可愛い」
そっと頬にキスを落とし、樹も隣で航平に腕を回し、瞼を閉じた。
※
航平にとって、困った事態になった。
樹よりも先のクライアントの家庭教師先。
「全問、解けたから、ご褒美ちょうだい!」
樹とはまた異なる、可愛らしい中三の優太がTシャツを捲り上げ、行為をせがむ。
以前ならば、樹と出逢う前なら、ご褒美のセックスをするのだが...。
「ごめん、疲れてるんだ」
「えーっ、そう言って、こないだもなにもなかったじゃん」
優太はぷくっと頬を膨らませ、拗ねた。
樹以外の請け負っていた生徒に以前のように欲情する気配はなく、別の生徒は裸を見ても勃つことはなかった。
「どうしたの?なにか悩み事?」
「...ちょっと、大人の事情」
そうして、口を濁した。
毎日、家庭教師として、樹の元へ通ううちに樹でしか反応しなくなったのだ。
とある日のこと。
いつも通り、樹の部屋に入ると、優太と談笑する樹がいた。
「航平先生!?」
「知ってんの?優太」
「そりゃ、僕の家庭教師だもん」
「俺もなんだけど」
二人が友人と知るや否や、血の気が引くと共に樹からのお仕置きが浮かび、高揚する体。
互いにゲイであり、樹の性癖を知っている優太は、なるほどな、と航平が樹に調教されたことを察した。
「今更、家庭教師を変えるのも面倒だし、航平先生の顔が見れたらいいや」
そっと敵対心も含ませ、優太は樹に微笑んだ。
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