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脅迫状パニック!①-2
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「うわ、ウケる。捕まった宇宙人みたいなんですけど」
それから二十分ほど車を走らせてスタジオに着くと、先に着いていたメンバーである牧翔太《まきしょうた》に大笑いされる。
翔太は『AshurA』のラップ担当のメンバーだ。
なぜか、車の中でおれとの話の取り合い?を続けていた優と清十郎に、最終的に両腕を掴まれスタジオ入りしたおれ。
いや、翔太じゃなくても笑うわ。
優は身長百八十近くあるし、清十郎に至っては百八十後半ある。
おれは百七十半ば(弱だけど)しかないから、自然に引っ張られるような形になる。
「何があったか簡単に想像つくんですけど」
ケラケラ笑いながら翔太が言うと、おれを掴んでいる二人は漸く手を離す。
「何、翔太お前ロケバスじゃ無いの?」
おれは痺れた腕を摩りながら翔太に問う。
「へへー聞きたい?おれねー車買ったのよ!」
チャラ、と車のキーを見せると翔太は嬉しそうに言う。
「え!まじ?!」
「マジだよー!驚かせようと思って黙ってたんだよねー!」
「うお、すげえ!今度乗せてくれよ!」
おれの言葉に翔太は犬歯を見せてニカっと笑った。
「いいよ。なんなら今日帰り送ってあげようか?」
「え、いいのーー」
「「それはだめ」だ」
だから、なんでそう言う時だけお前たちは息ぴったりなんだよ!
ていうか、送ってもらうくらい良いだろうが!
そう言うと、翔太は再びケラケラと笑う。
「ウケる、息ぴったりすぎ!」
いや、おれはおまえがウケる所がわからん……。
「一哉さん到着しましたー!」
敦士の声に振り返ると、まるで最後に真打登場のような態度で翠川《みどりかわ》ウィリアム一哉《かずや》が入ってくる。
くっそう、モデルオーラが眩しい。
足長いなちくしょう!
「……お前たちはいつでも騒がしいな…」
ふう、とため息をつきながら一哉が言う。
そんな態度まで絵になるんだからイケメン狡い。
一哉は『AshurA』のセカンドダンサー兼モデルだ。
ハーフ特有の彫りの深さと青い目、抜群のスタイルを誇る。
いや、スタイルならメンバー全員良いんだけど、一番均整のとれた身体つきをしている。
後、足が嫌味なくらい長い。
「さあ、全員揃ったし、レコーディング始めるよ!」
プロデューサーの言葉に、おれたちは各々のパートの最終チェックに入った。
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