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穏やかな時間
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side ちとせ
それから数日、俺はずっと斗真の家にいた。ダラダラと何をするでもなく夏休みを満喫して、時々宿題をしてみたり、夕方の涼しい時間に2人でスーパーに行ったり、穏やかとも言える時間を過ごした。夜にはセッ…えっ…もごもご…をしたりしなかったりとそれなりに楽しくしていた
土曜の昼過ぎ、昼食を食べ終わってその後片付けをした斗真がキッチンから出てきて言った
「明日俺は1日用事があるから今日夕飯食べ終わったら家まで送る」
「……わかった」
明日用事がある?本当に?月曜にゆづると約束があるから今日のうちに追い出したいだけじゃないのか?そんなことを考えてしまう
この数日、斗真は時々ゆづるとメッセージをやり取りしていた。声をかけると直ぐに手を止めて俺にだけ意識を向けてくれたけど、それでもスマホに集中している姿を見ると嫌な気分だったし、斗真のスマホの通知が鳴る度に気になって仕方がなかった
言い終わると斗真は自分の部屋に引っ込んでしまった。何やら書類を眺めたり、書き物をしたり、パソコンを触っていたりと忙しそうにしているのを知っているため俺は自分からはその部屋には立ち入らないようにしていた
夕方頃になってリビングに来た斗真がゲームをしていた俺の頭をぐしゃぐしゃと撫でてキッチンに向かう
「食べたら帰るのか…」
帰りたくないな、と思う
ここにいたら美味しいご飯を食べられるし、家で1人でいるよりは暇じゃないし、宿題でわからないところがあったら斗真に聞ける。ふかふかのベッドに毎日新品のように綺麗なシーツ。掃除はいつの間にか夏目さんがやってくれているし、テレビの画面も大きくて観やすい。斗真が用意してくれたらしい映画やドラマのDVDはまだまだ見ていない物ばかりだし、昨日2人で買いに行ったSwitchだって設置しただけでまだ遊んでいない
やっぱり帰りたくない…
でもそんな我儘言えるはずもなくて晩御飯を食べ終わると夏目さんの運転する車で家まで送り届けられた
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