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愛を取り戻せ:忘れられた熱い夜2
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「江藤さんがお見合い――」
見えない何かが、音を立てて崩れていく感覚に宮本は襲われた。
『俺様は……おまえが好きだよ』
はにかむように笑って告白してくれた、大好きな先輩がお見合いをする。
『なななな、何言ってるんですか。冗談じゃない……江藤さんが俺を好きとかって、どうして』
『どうもこうもない。まんま、俺様の気持ちなんだけどさ』
酔っ払ってはいたが真剣な表情をそのままに、目を逸らすことなく好きだと告げてくれた。それなのに――
「あのときのことは全部忘れられちゃった出来事だから、実際はないと同じなんだよな」
もしかして何かの拍子に思い出したら、お見合いを止めてくれるかもしれない。あの夜のことを思い出させるには、どうしたらいいだろう?
そんなことばかり無駄に考えてしまって、仕事が全然手につかなかった。ゆえに今日も、宮本の残業が決定的だったのである。
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