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今日其壱
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朝 ベッドに一人
驚いて階段を駆け下りる
靴はある
良かった と思う自分がいた
リビングの扉を開く
あいつは昨日までと同じように
キッチンに立っている
驚かすなよ と思う自分に気がつく
フレンチトーストか
焼くまでもう少し待つのかな
そんなことを考えながら
冷凍のストロベリーミックスを皿に出す
じゅっとバターが香る
フライパンに引き寄せられる
「瓜生あぶないよ」
あいつが真剣に怒る
「ガキじゃねーんだよ」
離れてボウルの生クリームをなめる
「そういうことする人がねぇ」
とあいつはフライパンを落としかける
「笑ってんじゃねーよ フレンチトーストがあぶないだろ」
俺は皿を差し出す
「フレンチトーストの心配ですか」
あいつはまた肩をゆらす
反論するのも面倒だ
皿を両手に持ってテーブルに並べる
二人分の朝食
明日はどうなるんだ 騒ぐ俺の胸の奥
紅茶のポットが近づいてくる
昨日も今日もきっとこの先も
湯気の形なんてものは
さほど変わるようなものでもないだろう
いや それは違う
変わっていくんだ きっと
何だ 自分だけの
元の生活にもどるだけなのに
はがゆくて仕方ない俺の喉の奥
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