アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
暑中の死神
-
コーヒーカップを手に
見てるんだか聞いてるんだか
わからないテレビをつけて座っていた
田原の前まで行った
まだ着替えてないのか
と 目で語っていた
だからこっちからは
今日は学校行きたくないんだって
顔をそむけた
この状況
なんだよ
昨日
あれを振り払った
代償かよ
腹の底から
煮え滾(タギ)った
泥炭(デイタン)とマグマを足したような感情が
オモムロニ
コーヒーの
香りを奪って
テレビの
画面をシャットアウトして
床に
力任せに
無闇(ムヤミ)な音に
朝が重なる
だが
「やめろっっっ」
と同時に
引き剥(ハガ)がされる
俺は田原の胸の上
「いっそ、殺してくれ」
いつかの死神が
俺を呼んでいる
フルエガトマラナインダ
その日二人で学校を休んだ
夕暮れを忘れた窓辺
に小さく映る俺は あいつは
何を望むのか
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
38 / 40