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これは小説ではありません。
私の日記です。
こういう場なら目にとめてくださった方からアドバイスを頂けるのではないかという考えと、自分自身で整理をしていくために今日からつけていこうとおもいます。
今まであったことを書くので第1回の今日だけはとても長々とした日記になってしまいます。
よろしくお願いします。
私はもともとは同性愛者ではなかった。
でも、気がついたら友達だと思っていた彼を好きになっていた。
知り合ったのは去年の6月後半、共通でプレイしていたゲームをきっかけにTwitterであちらから声をかけてきたのが始まりだった。
『ゲームうまいっすね!今度一緒に遊びませんか』
『お誘い頂けて嬉しいです!よろしくお願いします』
彼は年下だが私よりゲームも上手けりゃ人脈も広くて気さくで人懐っこい性格から人望もあった。
初めの頃は複数人で話をしたりしながらゲームをする場に誘われていたのだが、段々とゲームをすることとか関係なく個人的に通話に誘われることが多くなっていった。この期間約5ヶ月だ。
1対1で話をしていると自然と会話は込み入ったものになる。
どこでそんな話になったかは忘れたがある時彼と好きな女性のタイプを話していた。
「俺は結構見た目重視かな、可愛いだけでなんでも許せちゃう」
「私は初恋の人が今でも好きなのでその子がタイプですね」
「一途ないい男だね〜!お前は可愛いよ」
「かわいいっすか?うれしいです」
「いや俺ぶっちゃけバイなんだよね」
「バイ?」
「バイ・セクシャルね男も女も好きになれるってこと」
「なるほど、偏見はないです」
「本当にいい子だねぇ〜お前くらい可愛かったらマジで抱けるもん」
「私の顔、見た事ないでしょ!さっき見た目重視って言ってたじゃないですか」
「確かにそれも大事なんだけどさ、声がタイプだから余裕で抱けるわ」
「なんにせよ褒められてるなら嬉しいです」
と、ここで彼がバイ・セクシャルであることを知った。11月の終わり頃だった。
そう、この頃の私には好きな女性が居た。12年ずっと片想いしていた子だ。ただ彼女のエピソードは語ると長くなるので省略する。
男を意識するという感覚が微塵も無かったので彼が自分に対してこういう下の話をするのはそれなりに笑って聞いていた。
なんなら二人でAVを同時視聴してオナニー大会などと言う男特有のバカみたいなことも結構頻繁にしていた。
皆さんは『寝落ち通話』なる文化をご存知だろうか。
私はインターネットにどっぷり浸かっていたにも関わらず全く知らない単語であった。
年は明けて4月の半ばの事だった。夜中に通話をすることは生活習慣が狂っている私と彼の間ではよくある事だった。だが、その日はいつもと違うことが起きた。
「眠たくなった」
「お、寝ますか?」
「うん」
「お疲れ様でーす」
「待った待った、いつもすぐ切ろうとするな」
「なんで!寝るって言ったじゃないですか」
「ん〜」
「どうかしましたか」
「一緒に寝よ」
「あーはい終わったら私も寝ますよ」
「そうじゃなくて通話繋げたまま一緒に寝よ」
「寝るのに通話繋げておくってどういうことですか」
「えー……だから寝るまでごろごろしながら二人で話してそのままこてんっ、みたいな」
「なるほど寝るまで絵本読んで的なね、可愛いこと言うなあ〜いいですよ」
「ちょっと違うけどそれで」
こんな感じで私は人生で初めて寝かしつけというものをした。
翌日の朝のこと、私はこっぴどく怒られた。
『起きたら居ねえ、なんで?』
というメッセージが入っていた。
既読をつけた瞬間に電話がかかってきた。
「おはようございます」
「おはよ……」
「よく寝られた??」
「居なくなってたからよく寝られてない」
「えっどういうこと」
「んん〜……ねぇ、俺が寝ても通話切らないで」
「なんで?寝てたらどうせ声聞こえないしいいじゃないですか」
「そういうのじゃないの!分かってねえ〜いいから次からは切るな」
「私だって一生は起きてられないんで切りますよ」
「だからお前も寝るんだって!」
「なに?どういう状況だそれ」
「一緒に寝るっつってるだろ!」
「二人で通話繋げて寝るんですか?」
「そう」
「せ、世界一無駄な時間〜」
「あ〜?!分かってねえ分かってねえ」
「なんでホワイトノイズ炊いとくんですか二人とも話さない通話とか意味わからなすぎるって、虚無じゃん!」
「ん〜!!じゃあ俺がホワイトノイズ聞くと安心するから、いいから繋げといて」
この時は本当に意味がわからなかった。
なんで虚無空間を作り出そうとしているんだこいつは、と友人を心配した。
そんな寝かしつけ3回目のことである。
「ねぇ……?」
「お、どうしましたか」
「むぅ……また寝てない…………」
「いや無理ですよ、通話繋げたままだとこっちの音とか気になって寝られませんって」
「気にするな」
「いいですって切らないんで安心して寝ててください」
「お前も寝なきゃ安心できない!」
「可愛いこと言ってるけどこればっかりは無理です」
「1回!1回横になって目閉じてみよ?寝られるから」
「そりゃそうよ」
「やって♡お願いっじゃなきゃ寝られない」
「うぇー……仕方ないなあ」
「ん〜〜〜ありがと、好きだよ」
「私も好きですよ」
こうして初めて寝落ち通話という物を経験してしまった。
ご覧の通り私と彼はお互いに好きだよと普通に言い合う仲であった。
いや、彼がどうだかは知らないが私は実は結構軽いノリで友達に「すきだよ」「かっこいい」「かわいい」等々褒め言葉や好意を伝えてしまう。もちろん他意はなく誰にでもこんななのだ。
この時も私は別に彼に特別な感情を抱いていない。言うことを聞いてあげたくなっちゃうのも友達全員に対してそうだ。ただ、こんなにも色々おねだりしてくる友人は中々居なかったので特別可愛く思っていたのは間違いない。
彼が毎日のように寝落ち通話に誘ってくるようになって2週間くらいがたった頃の事だった。
寝落ち通話に抵抗が無くなった私はその日もどうせ誘われると思っていたから彼からの連絡を待っていた。
するとその日はいつもと違う内容であった。
『元カノが寝かしつけて欲しいって言ってるから寝かしつけてからそっち行くわ』
というものである。
そう、この頃彼も彼で私のように女性に片想いをしていた。
彼の元カノは彼が構ってきすぎるのが嫌等々の理由で彼に別れを告げたらしい。
彼とはよく元カノの話をしていた。付き合ってラブラブだった頃の写真やLINEのメッセージを見せてもらってにこにこしていた。
そして、寄りを戻してぇなあと嘆く彼を元気づけるまでがテンプレートであった。
私は喜んだ。
元カノは彼のことをまだ好きなのではないか、脈アリではないのか!と。
あと私が知らなかっただけで寝かしつけってそんな一般的にされているものなんだと。
『えっ最高じゃないですか!あとで話聞かせてください』
その後、元カノを寝かしつけ終わった彼と話をしたが案外にも元気は無かった。
がっつき過ぎたらまた逃げられるから慎重に行かないと、という旨の話をしていた。
私は片思いしかした事がない童貞のため恋愛の駆け引きとかはよく分からなかったがそういう物なのか、と応援した。
その日も一緒に眠った。
それから2週間くらいは元カノは彼の元に毎日のように連絡を入れて夜一緒に寝ていた。
しかし段々と彼から『今日寝かしつける』という連絡は入ってこなくなり、ただただ私と寝るだけになっていった。
こちらから、元カノとどう?と聞くとなにか傷を抉るのではないかとか思って尋ねたりすることは無かったがあちらから話してこないということはそういう事なのだろう。
5月の後半、1日8時間近く、長い時には16時間以上通話をしたりするような仲(ほぼ寝ている)になっていた私達だが、この頃から別々のゲームにお互いハマり一緒に遊ぶことはほぼ無くなっていた。
本当に夜一緒に寝る時に甘えてくる彼に対して「かわいいね」「すきだよ」とお互い言い合う、傍から見たら男同士で何してんだろう……という関係だった。
前述したが私は好意を言葉にするのが好きなのでこれを寒いなどとは思わなかった。本当に思って言っていることなのでイチャイチャしているという感覚さえなかった。
もちろん恋愛感情は一切ないし私は彼以外にも男女関係なくこれを頼まれればやっていたと思う。
この頃から彼の言動は少しずつ変化していったように思う。
「じゃ遊んでくるわ」
「……誰と?」
「Aちゃんと」
「二人で?」
「うん」
「ふーん…………最近よく遊んでるね」
「そうだね、よく誘ってもらえる」
「ん〜……」
「どした?」
「なんか嫌だ」
「嫌だ?!なんだ急にその大雑把な気持ち、何に対して」
「妬ける、他の女のとこ行くな」
「なんだそれ」
「お前は俺のなのに」
「あなただって女と遊ぶ事くらいあるでしょ〜」
「ある……」
「そういうことです」
「うぇー行ってらっしゃい……俺も遊んでくる」
嫉妬を口にするようになってきたのだ。
AV同時鑑賞オナニー大会をしていない時でも急に声を聞いてオナニーしたいとねだってきたりするようにもなっていた。なんならAVを見ないでお互いのことを呼びあってオナニーすることが増えていた。
これが世間ではエロイプなどと呼ばれていることは最近知った。
そして事件は起こる。
6月5日、私が12年間もの長い間片思いしていた女性が結婚した。
彼女ではなく私の友人から電話が掛かってきた。
しかし出てみると電話口にいるのは彼女。
端的に言うと私は告白もしていないのに友人に気を使われてフってもらったのだ。
このままでは一生私が彼女に片思いしたままだ、と。
泣いた。
ずっと泣いた。
その日初めて彼からの通話を断った。
出られる状況じゃなかった。声も酷いし涙が止まらなくて話なんてできるはずも無かった。
なにより、私は誰かに弱い姿を見せるのが人一倍嫌いだ。
泣いたり怒ったりは1人で完結させたいし、今まで生きてきてそういう姿を誰かに見せたことは1度だってなかった。
翌日もずっと彼から連絡が入っていた。
鬼のように電話も掛かってきていた。
やっと泣きやめた、そう思って電話に出たが嗚咽が止まらなくなってすぐにミュートにしてしまった。
彼に泣いていることがバレた。
そこからはもう、凄かった。
普段は、わがまま放題おねだりや甘えたばかりしている彼が私の事をずっと慰めていたのだ。
「ミュートにしたままでいいから切らないで、あの子となんかあったんでしょ?わかるよ、よーしよし……お前は何も悪くないよえらいね、よしよし」
この調子で永遠に私をあやし続けていたのだ。
ミュートしたまま泣き疲れて寝ていたのでいつまでそうしていたのかは知らないが少なくとも2時間はそうしていたし、私が起きてからも彼は起きたままそこに居た。
「ごめん…………電話出なかったり出てからも話さなかったりして」
「あ?いいよてかもっと泣けば?」
「嫌だよ」
「でも昨日は泣いたな」
「それは、ごめん」
「なんで謝るの?俺は見られて嬉しいけど」
いつもは私と同様「遊んでくるわ」と言ってすぐにどこかへ行って寝る時くらいしか私の元へ来ない彼がずっと私の所にいた。
本当は友達と遊びたかっただろうに、私の為にずっと起きて待っていた。
なんだかそれだけの事に感動してしまったのだ。
そして何故か気がついたら好きになっていたのだ。
もちろん急に気持ちを切り替えられた訳では無い。
私は暫くの間傷心していたし、彼曰く寝言でよく泣くようになっていたらしい。
2週間経った頃には自覚した。
12年の片思いが終わり友達だった男に恋をしてしまって、しかもその男には好きな相手がいることを。
6月の終わり頃だ。
彼はなんというか典型的に男だ。というかオスだ。
可愛げはあるがどう考えても彼は誠実とは呼べない人間だ。
というのも、彼は「気に入った人間をとりあえず全員近くに置いておきたい」と宣っている。
私にあれだけ嫉妬心やらを見せてはいたが、彼自身は結構色んな女や男にいい顔をしている。
元カノはその中でも特別気に入ってるといった感じなのか、もしくはフラれたから追いかけたいのか定かではないが一途とは到底呼びがたいのは確かだ。
友達として好きだった頃は気にならなかったが彼は多分いわゆる女の敵タイプの男なのだろう。
あとメンヘラだ。
8月の終わり頃の事だ、私は友達と通話をしたまま眠ってしまった。
以前までの私であれば通話を繋げている間に寝るなどありえない事だったが彼に慣らされてしまった身体はあれよあれよと疲れと共に眠ってしまった。
起きてびっくり物凄い量の不在着信。
そしてスクリーンショット。
通話中の為応答できませんと表示されていた。
『ばか』
とかなんとか色々ありがたいメッセージが入っていた。
慌てて友達との通話を切って彼に電話をかけたら秒で出た。
「………………」
「ごめん出られなくて」
「…………なあ、なにしてたの」
「寝ちゃってた」
「寝落ち通話なんてしないって言ってたじゃん……」
「今まであなた以外としたことなんてなかったよ、本当に疲れて寝ちゃってた」
「相手は切らなかったの通話」
「珍しいから寝言言わないか面白がって繋げたままにしてたみたい」
「ふーん…………………………ばか」
「ごめん」
「ばかばか」
「ごめんなさい」
「なんなのまじで……寝る、おやすみ」
「おやすみなさい」
何か言うと神経を逆撫でしそうだったのでその日は謝罪だけした。
彼は目が覚めてからも不機嫌だった。
「……なあ、お前にとって俺ってなんなの」
それはこっちのセリフだが。
「言ってなかったけど、私は今あなただけが好きだよ」
「……」
「好き、大好きだよ愛してるよ」
「でも昨日寝てた」
「ごめんね、もう二度とあんなことないようにする。約束する」
「……」
「好きな人を不安にさせてるのは趣味じゃないから、あなたが本当に不安なら友達全員と関係を切ってもいいよ私自身が今よりもっとクソつまらない人間になってしまうだろうけど」
「別に、それはいい……わかった」
「許してくれた?」
「許します」
それからの彼は暫くの間かなりご機嫌だった。
雨降って地固まるとはまさにこの事だ。かわいいやつめ。
私はかなり従順だと思う。一途だし、彼のためなら何でもしてあげたくなってしまっている。
ただ、なんだか段々とそれが気に食わなくなったらしい。
これはもうつい1週間前に起きたことだ。
彼はその日、何故か不機嫌だった。
「どうかしました?」
「お前って俺に不満とかないの」
「ないよ、大好き」
「お前にとっての俺って何」
「1番大切な人だよ」
「ふーん、俺がしろっていったら何でもするの?」
「できる範囲ならしてあげたいね」
「奴隷みたいじゃん」
「都合よく使ってもらえたら嬉しいけど」
「なぁ……なんか俺に直して欲しいところとかないわけ」
「だから無いって」
「……お前ってさ、本当に全然自分の事とか話さないし分かんない」
彼はその日ずっと溜息をついていた。
私は彼が何に怒っているのかいまいちわからず、しかし尋ねることも出来ずにその日は眠った。
翌日も不機嫌だった。
「本当にお前が分かんない」
「ごめんなさい、私なにかした?」
「なにもしてくれない……」
「え、何して欲しいの言って」
「全部話して欲しい隠し事しないでっていつも言ってる」
「わかったけど、本当に何も隠してないんだよなぁ」
「弱音とか全然見せてくんないし、俺ってそんな頼りないの?」
「そんなことないよでも弱音とかは見ても楽しくないでしょ?」
「でもお前は俺の愚痴とか聞くじゃん」
「それは……だって、私が好きだから」
「……そういうのも良くないのかもな」
「そういうの」
「なんかお前だけが俺のこと好きみたいな、そりゃ俺はお前みたいに一途じゃないけど俺だって好きって言ってるじゃん……」
「うん、言ってもらってるし伝わってるよ」
「もらってる…………またそういう……………………」
「え、なんか、本当にごめんなさい」
「謝ることじゃない、謝ることじゃないけど」
「けど?」
「……待って、色々考えてるから…………」
ずっと溜息ついてるし、空気が重くて、申し訳無かった。でも本当に何に怒ってるのか言わないから微塵もわからなくて謝り倒すのも地雷を踏みそうだしただただ無言で彼からの言葉を待ってた。
「お前って俺がいなくなったらどうなるの?」
「どう……?どうかな、出来れば居なくならないで欲しいけど」
「俺に彼女が出来たとする、嬉しい?」
「こうやって話せなくなることは寂しいけど嬉しいよ、好きな人の幸せが1番だからね」
「なんで話せなくなるの?」
「え、だって浮気になっちゃうじゃん」
「俺たちの関係って今なんなの」
「一緒に寝る友達かな」
「友達なら浮気じゃないじゃん」
「この関係は彼女が出来たらやめなきゃだよ」
「なんで」
「あなたの好きになった人が悲しむよ?逆に相手が他の人とこういうことしてるの想像して嫌じゃないの?」
「俺らは男同士じゃん」
「そうだけど……でもダメだよ」
「なんでも言うこと聞くって言ってたのに」
「聞ける範囲でね!浮気はして欲しくないからダメだよ」
「で、お前はずっと俺のこと好きなままなのあの子の時みたいに」
「そうなるだろうね」
「なるほどね……なんか、いやこれはさすがに傷つけそうだから言わないけど」
「?なんでも言ってくれていいよ」
「……なんでお前が告ってもないのにあの子にフラれたか分かった」
「うぇ……なんでフラれたの私」
「一途すぎる、お前の人生って……なんかかわいそう」
「思えるのは幸せなんだけどなぁ」
結局これは何で怒られているのか、もしかしたら彼女出来たっていう報告したいですっていう前振りなのか?と身構えていた。
こうは言っているが実際にこの関係が終わることを考えるだけで胸がすごく痛む。
男同士だから未来なんてないし近い将来そうなる事は決定しているのに。
「俺なりにお前のこと不安にさせないようにと思って言ってこなかったけどさ」
「はい」
「俺は結構、色んな人から誘われるのよ」
「おぉ……ゲーム上手いし声良いしモテるよね。知ってるよ」
「なんか露骨に寝るの誘ってきたり下着の写真送られてきたりとかもするし」
「わぉ、羨ましい限りで……」
「でもそんな中でお前と居る時間が1番長いの、分かってる?」
「嬉しいです」
「よく言われるよ、今そういう子が居なければ付き合ってもらってたのになぁって」
「……」
「単純にこの女達がお前より魅力が無いってだけだけど、そうじゃなくたって俺はお前との時間を気に入ってるから断ってるの」
「……え」
「お前が今何考えてるかわかるけど言ったら怒るから」
「まだ何も言ってないのに分かるわけないじゃん!!」
「自分に気を使って断らなくていいとか考えただろ」
「怖ぇ……なんでわかるの」
「ちゃんと話聞いてた?俺は確かにお前みたいに誠実じゃないけど俺なりにお前の事を凄く考えてるし気に入ってるのに、お前は自分だけ好きみたいな態度ずっととってて、それが、なんか、めっちゃ腹立つ…………………………」
溜息は相変わらず止まらなかったけど彼の声は珍しく震えていた。
私は泣いてしまった。
彼の前で泣くのは2度目だった。
「えっ!なんで泣くの言い方キツかった?わ〜っごめんっごめんねよーしよしよし」
「いや、あなたに余計なこと考えさせてしまったから」
「いや俺が考えたくて考えてるだけだから、泣かないで」
「でも、ごめんなさい自分の意見とかは言わない訳じゃなくて本当に無くて」
「うん、じゃあもし不満とかが出たら俺に絶対に伝えるようにして」
「はい」
「不満だけじゃなくて楽しいこととか嬉しいこととか今日あったなんでもない事でもいいから、できるだけ全部俺に教えて全部知ってたい」
「わかりました」
「ん、俺を安心させたいならそうして?…………泣くの二回目だね」
「すみません」
「こういうのが嬉しいんだって」
「私が泣くのが嬉しい?」
「泣く所誰かに見せたりしないでしょ」
「したくないです」
「でも俺には二回目だし、しかも俺の事思って泣いてるし」
「それが嬉しい?」
「そういうこと」
「嬉しいなら良かった」
結局この時のお怒りはよく分からなかった。
多分私の人間性にイライラしていたという話なのだろう。
なんにせよ今回の雨は深い部分の地面こそ固まらなかったが表面は固まったという形に納まった。
私は無駄なメッセージを送ったりなどしない質だったが今は仕事の昼休み等に彼から気まぐれな時間に送られてくるメッセージに対して全て返信をしたりしている。
カップルのような文面でやり取りをしていて笑える。
あれからの彼は割とずっとご機嫌だ。
私といる時間も元々長かったのに更に長くなった。
今日どうなるかとかは彼の気分次第だが毎日一緒に眠っているのでおそらく今日も一緒に眠るだろう。
明日からはあった事を短く記していく。
気まぐれな彼の傾向と対策を練られるようにもなればいいと思う。
今朝は6:00から5度寝をかまして7:30に彼は起きた。
「起きなくて大丈夫ですか?」
「ん、おきるよ」
「7時ですよ」
「すきすき」
「私も好きだよ」
「愛してるよどこも行かないで」
「行かないよそばにいるよ」
「あと30分寝る……ここにいて」
「いるよ、おやすみなさい」
彼はやたらとどこにも行かないでを主張してくる。
どちらかといえばいつも彼の方が用事出来たとか遊びに行くと言ってふらふらとどこかへ消えるのだが、少しでもミュートをしていると「ほかの女と話しでもしてるの?ミュートするな」と言いがかりをつけてくるので安心させるために行かないよを沢山伝えておく必要があるのだ。
メンヘラというものなのだろうと何となく分かってはいる。
ヘルスというからには治してあげた方が良いのだろうか?それとも今のように甘やかしてしまったままでいいのだろうか、どちらが彼のためになるか分からない。
今日は「返信が5分もこなかった……見るの遅い誰かと話してるの?」と連絡が入っていた。
私の仕事が在宅でとても自由の聞くものだから彼を不安にさせているのだろうか?
5分は私にとっては短いしなんなら彼はちょっと遊びに行ってくると言って平気で5時間近く私を放っておく人間だ。時間の感覚はあれこれ言っても仕方ないのかもしれない。
今日は機嫌がいいと良い。
これから彼の帰りの時間を待つ。
今日も出来るだけ長くお話出来ますように。
明日の日記が幸せで溢れていますように。
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