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◇◇◇
「えーっと、ナイッス〜エリアの屋内アトラクション、新しいやつ……これかな?」
プレハブみたいな真っ白い豆腐型の建物の前に俊太郎と健は立っていた。建築ゲームの初心者が作りがちなフォルムをしているそれは外装にお金をかけていないことが一目で分かった。
「これだな。間違いない。入るぞ」
「は〜い」
遊園地でずっとイヤホンをしていると怪しまれるという理由から今日は五十嵐への報告方法はスマートフォンのSNSアプリだ。 ――五十嵐特製のアプリで漏洩がないようになっている。
「五十嵐に今から入るって送ったよ」
今日は常に二人行動なので代表して健が報告係だ。
「じゃあ入るか……」
俊太郎と健はアトラクションの入り口へ向かう。並んでいる様子はないからすぐに入れそうだ。
入り口にはアルバイトと思われる男性が立っている。
「こんにちは! パスを確認させていただきます!」
元気良く挨拶をして意気揚々と俊太郎の服の袖を捲って、フリーパスの下から覗く黒いあれを目視するやフリーズする男性。……やはり手首に黒いチョーカーは良くない。時計とかに改造出来ないのだろうか。
「……あ、あ〜、はい! だ、大丈夫です! お兄さんも良いですか?」
そして健のも見て、またフリーズ。タトゥーや傷を隠しているわけでも、お揃いで着けているわけでもないのだが、そう見えてしまうのは仕方ない。やはり時計か何か、もっと馴染みが良いものに作り変えてもらおう。
「……はい。大丈夫です。それでは中で説明がありますので」
この数秒で少し疲れてしまった男性をそこに残し、俊太郎と健は中へ進んだ。
並び列なのだろう、くねくねとした廊下を進むと、少し拓けた場所に出る。そこには従業員の女性が居た。
「こんにちは! 〈四畳半の秘密〉へようこそ! ここではこのアトラクションの簡単な説明をさせていただきます! このアトラクションは――」
概要は知っているので――丁寧に説明してくれているところ悪いが――女性の話は聞き流す。
四畳半の狭い部屋にぶち込まれた客は、その部屋にあるさまざまなヒントから秘密が何かを推理するというものだ。詳しくは分からないが脱出ゲームの類いだろう。
「それではお兄さんたちの探偵力……期待していますよ! いってらっしゃ〜い」
笑顔の女性に見送られ、また少し進んだ先にあるドアを開ける。さまざまな物が乱雑に置かれた四畳半の空間がそこにある。部屋には窓はなく、今開けた入り口と秘密を明かせば開くと思われる出口の二つのドアがある。――条件はバッチリだ。
俊太郎は中に入った。健も続いて入って来る。
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