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不幸は続く
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この世には、α、β、Ωの性がある。俺は、元々体育会系でそれなりに鍛えていたこともあったが、最近酒のせいか少し太り始めた身長175cmの顔面平凡、モテたことが人生一度も無い。そんな俺の性はΩ。
俺は一人っ子で、両親はΩに理解があり、そんな俺でも特別扱いせず育ててくれた。しかし、昨年。両親が他界した。事故だった。大型トラックが青信号待ちの両親の車に突っ込んだ。初めこそ立ち直ることが出来ないと思っていたが、それでも人生は止まってくれない。両親がくれたこの生を全うしていこうと徐々に立ち直ってきた。その矢先にことは起きた。
ある日突然社長から解雇の旨を言い渡された。俺は何故かと必死に考え訴えたが、社長は本当にすまない、事情があるんだ、の一点張りで具体的な解雇理由が聞けなかった。
突然リストラされ途方に暮れながら自分のデスクの荷物をまとめた。同僚も俺の解雇を不当だと上司に訴えたが決まったものは仕方がないと意見は聞き入れられなかった。そんな同僚達にまた連絡するよ、また飲みにでも行こうぜ、と言い、俺は会社を去った。
大学を卒業して13年勤めてきた会社。業務成績はあまり良くないが真面目に勤務してきた。それなのに何故……。俺の中で自問自答が続く。
そうしているうちに自宅の近くの駅に着いた。
____ずっとそうやって項垂れるのは俺の性に合ってない、よし、飲もう!
俺は酒を買い込み昼間っから飲んだ、
「リストラされても酒はうめぇー」
両親の遺影が視界に入った。
「母さん、父さん、俺どうしたらいいかな?」
当然だが、返事はない。
「なんで不幸は続くんだろうね、」
そうしているとだんだん気が楽になってきて、次の就職先を探そうと気持ちを切り替えることができた。時計はもう23時を指している。
「もお、こんな、じかん…」
回らない呂律で独り言を言ってフラフラと立ち上がり寝る準備をしようとしたときインターホンが鳴った。
「はぁい。」
普通ならこんな夜中からインターホンを鳴らされると不審に思うはずだが、酔っている俺の思考はそんなことさえ考えられず、何の確認もせずに玄関を開けた。
あの時、少しでも不審に思えば、お酒を程々にしていたらこれから起こることはなかったのかもしれない。後悔は先に立たず。
俺は視界を奪われ、変な薬を飲まされて意識を手放した。
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