アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
部屋
-
________チュン…チュンチュン…チュン________
「んぁ?」
鳥の囀りで目が覚めた。
見慣れない部屋。夢であってほしかった。
しかし、首に巻かれた包帯が夢ではなかったことを告げる。
俺の体は綺麗で真っ白のTシャツとパンツを履いていた。
俺はこんな短時間で初対面で美形な男と番になり、あんな淫らな姿を見られた。恥ずかしいし、悔しい。
まだ、あの男の匂いが残っている部屋。
「とにかくここから出ないと…」
まだズキズキ痛む体に鞭を打ち、ドアの方に向かいドアノブを捻るが、鍵がかかっていてノブが回らない。
いや、普通部屋側に鍵つけるだろ、俺が逃げないようにわざわざ外鍵にしたのかよ…。やば過ぎだろ。
男の異常性が気持ち悪い。そもそもこんな中年Ω相手にここまでするか?相当モテて珍味に手を出そうと思ったのか?考えれば考えるほど分からない。
でかい窓から外を覗く。超高層マンションのようで景色は良かった。だが脱出の希望が潰えた。
身体中痛いし、部屋から出れないし、
「ハァーどうしよ」
俺の声が反響する。あの男をうまく丸め込んでここから出たい。家で酒飲んで寝たい。
「うっ…ヒッグ……」
さっきまで大丈夫だったのに涙が滲んできた。視界がぼやける。なんで俺ばっかりこんな目に遭うんだよ。ただ普通に平穏に暮らしたいだけなのに。そんな高望みしたかよ、俺。なぁ、神様…。
1人広い部屋にポツンとあるベッドの上で泣いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 8