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8再縁の呪い
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「小僧、良い兄貴を持ったな」
自分のせいで宿儺に屈伏した脹相
「まあ奴の願いである弟の回収には付き合ってやるんだ。感謝して欲しいくらいだ」
「約束…」
「うん?」
「俺も脹相のために脹相の弟を回収する」
涙を落とす
「好きにしろ!だが最優先事項は俺の指だ」
「分かってる」
「忘れるな。これは契約だ。違えば貴様は死ぬ」
「…っ!」
死の恐怖を思いだし震える
「忘れるなよ小僧」
「悠仁!」
意識を取り戻すと脹相の腕の中にいて
「脹相…ごめ…うっ!」
むせ返る血の匂いに
脹相を突飛ばし
「げえええっ!」
嘔吐する
「げっ!げっ!」
胃の中の物を吐き出し
「ごめ…」
謝罪する
「いや、仕方ない。ここを離れよう…と」
悠仁の足枷を破壊し
「お前も来い」
「ひいいいっ!」
物陰に居た男を引きずり出した
「気味の悪い男だな」
初対面の印象はおとなしい男
弟を守るためだと呪霊を祓う手伝いをしていた
見た目は人間だが
大量の血を操り、しかも顔色ひとつ変えない
「気色の悪い」
仲間の呟きに
「おい!聞こえるぞ!」
慌てて止めるも
男は聞こえていないのか
こちらを見ようともせず
「こいつ抵抗しないな」
小突いても蹴っても反応は無く
次第にエスカレートしていく暴力にも涼しい顔をしていた
だがそれは全て弟の為で
「弟を傷つける奴は許さない!」
「ひいいいっ!」
逆鱗に触れれば死が待っていた
「許してくれ!俺は何もやってない!合鍵を預かっただけだ!」
ただ五条家の管理を任されていて
回収される前にスペアを作っていた
「なああんた!脹相!俺の事は覚えてるだろう?俺はあんたと一緒に仕事もした!あんたに頼まれて虎杖悠仁の近況も知らせていた」
「あまり覚えていないが世話になった。ありがとう」
「棒読み!」
大して感情のこもっていない声に
「助けてくれ!殺さないでくれ!」
男は懇願する
「別にお前がどこの誰だろうと興味はない。俺の事もどう思っていても良い。だがお前達はひとつだけ過ちを犯した」
ぎりっ
「俺の弟に手を出したことだ!」
無表情だった脹相のこめかみに血管が浮かび
顔からは血が滲む
「許してくれ!俺はただ命令されただけだ!」
「命令?」
「貴様は運が良い」
宿儺の領域展開により自分以外の全員が殺された
「ひ…ひい」
「そう怯えるな。貴様を生かしておいたのは伝言を頼みたいからだ」
男の前にしゃがみ
ある言葉を伝える
「貴様の運に全てを掛けろ。うまく行けばまた生き延びられる」
「五条だ!五条悟に頼まれたんだ!宿儺の器である虎杖悠仁を自分のペットに相応しくするために躾ろと!やり方は酷くて良いと!後から自分が慰め…がっ!」
「もういい!」
悠仁が蹴りを食らわせ
ナイフを構える
「殺してやる」
両手で構え
勢いよく振り下ろした
「伊地知~?僕君に合鍵を回収させたよね?」
「はい。確かに預かってあなたに返却しました」
五条家の持ち家の1つ
悠仁を匿っていた場所
室内は血と肉片のみで人気はなく
簡単な洗い場には鍋に野菜が入っていたが
それも血まみれで
「僕のために夕食を用意してくれてたんだ」
ポツリと呟く
「下剤でも入ってたんじゃないですか?五条さん嫌われているし」
伊知地が嫌味を口にする
「伊知地、後でビンタな」
「悠仁…絶対に見つけ出すから…」
「悠仁、落ち着け」
ポタッ
悠仁の振り下ろしたナイフは脹相の手を貫通し
男の寸で止まる
「感情的になるなと言った筈だ」
「あ…ごめん…」
自分の服で止血しようとするも
「それはいらない。それより今言ったのは本当なんだな?」
男に向き直る
「ああ。殺そうとしたのはやりすぎだとは思う」
「実際に死んだんだよ!そのせいで脹相は!」
「悠仁!それはもういい。五条がクソなのは知っているがここまでやるとはな!」
ぎぎ
ナイフを握りつぶす
「五条…安らかに死ねるとは思うな!」
「あんたの方が感情的じゃん!」
怒りの脹相に突っ込み
「もう帰ろう。先生が待ってる」
脹相の袖を引く
「もう戻らなくても良いだろう?あいつ等はお前の事なんて何とも思っていない。他の弟達と五条を倒す方法を考えたら良い」
立ち上がり
悠仁の頭を撫でる
「お前がこれ以上傷付く必要はない」
「いや、大丈夫。それにまだ先生に付いてた方が良さそうだし」
悠仁は脹相の手を取る
「こっちも利用させて貰おう」
脹相の手のひらに頬を当てる
「まだ宿儺の指は集まってないし、先生達に協力した方があんたの弟達も集められて得じゃん?」
手首にキスをし笑うと
「そうだな。俺達も狡く生きるか」
脹相も笑い懐から指を取り出す
「五条の家で見つけた」
「お前っ!」
男が声を上げるも
「お前達の望んだことだ」
ごくん
悠仁が指を飲み込む
「俺達に脅威になって欲しいんだろう?なってやるよ」
脹相が男を解放する
「五条に伝えろ。弟が世話になったと」
走っていく男を見送り
「帰るか」
「うん」
「全く!ひとんちで何やってくれてんだか!」
やってきた清掃業者を見ながら呟く
「未成年を監禁していたあなたには言われたくありません」
「保護だよ。保護。呪霊と一緒に居た子供を保護したの」
「はあ…え?」
不意に部屋に入ってきた人物に目を見開く
「君、確か鍵を預けていた」
「五条さん…両面宿儺がまた顕現しました」
血まみれの男が現れる
「…どういうこと?」
五条の瞳が輝く
「悠仁に何をした?」
「実は…あなたが虎杖悠仁を監禁していた情報が漏れて…皆が始末しようと…ひぃっ!」
五条の表情に男は悲鳴を上げる
「続けて」
「失敗しました。虎杖悠仁の心臓は止まりましたが、代わりに宿儺が顕現、虎杖悠仁も生き返りました」
「これは宿儺によるものなんですね。あなたはよく無事でしたね」
伊知地が労る
「はい…脹相にも遭遇しましたが、こうして帰されました。五条さんに弟が世話になったと伝言しろと」
「それ嫌味だよ。ついでに君は許されていない」
「…へ?」
「そろそろ伝言も届いただろう」
「え?何?」
「がはぁっ!」
激痛と共に身体中に浮かぶ模様
「君、脹相の血を付けられたね」
「俺は自分の血に好きな時に呪力を流し込める。それは身動きが取れなくする、から死ぬまでだ」
「怖っ!ってさっきの奴!」
「俺の弟に手を出しといて無事ですむ訳無いだろう?」
「脹相の宣戦布告か」
「私が以前見かけた時は物静かで他人に無関心でした。仕事を淡々とこなすような感じで」
「弟が絡まなければ友好関係は結べた。でもし全て台無しだ」
指の爪を噛む
「これだから無能な奴等は!」
「五条さん、昔の顔になってます」
伊知地が内心びびりながらも嗜める
「誰のせいだと…まあ良いや。後の事はよろしく」
「えええーっ」
「お帰り悠仁。心配したよ」
「ごめん真人。心配かけた」
指定場所に迎えに来た真人が悠仁の頭を撫でる
「大変だったね。体の調子は大丈夫?」
「うん。俺より漏瑚の方が酷いだろ?首もげたし」
「今療養中。後でお見舞いに行ったら良いよ」
「ハナミンは大丈夫?」
「ハナミン?ああ、花御?だったら…」
『変なあだ名で呼ばないで下さい』
花御が現れる
「ハナミン良かった。無事だったんだな!」
悠仁は嬉しそうに声をかける
『だからやめろと…まああなたのお陰でもありますね。ありがとう』
「へへ」
花御に笑いかけると花御は動かず
『あなたが無事で良かった』
「うん。ありがとう」
悠仁は笑いかけ
「先生に会ってくる」
夏油の元に向かった
『ありがとう…か』
胸の辺りをさわる
「悠仁っていい子だよね」
『そうですね。ハナミンは余計ですが』
「えー?可愛いよ?」
『殺しますよ』
「先生ただいま。で、ごめんなさい」
頭を下げる悠仁に
「お帰り。凄く心配したよ」
夏油が頭に手を乗せる
(嘘なんだろうな)
顔を上げればいつもの作り笑いで
全然心配なんかしてなくて
顔が上げられない
「本当に無事で良かった」
強く抱き締められる
「せんせ…」
「悟に取られるんじゃないかと心配した」
「そんなことあるわけ無いじゃん。俺先生の事が好きだよ」
嘘つきで偽物の癖にこう言うとこも同じなのか
「先生の匂いも凄く好き」
目を合わせないように夏油の胸に顔を埋める
「匂い?加齢臭がするってこと?」
「違うって」
「臭いんだな」
脹相も頷く
「だから違…あだだだだ!」
悠仁の頭頂に夏油の拳が落ちる
「本当に君は一言多いよね」
「本当の事なんだから仕方ないだろう?加齢臭だし」
「そんなこと言ってないって!」
緊張がほどけ
ホッとする夏油に
「本当に夏油先生の事が大好き」
悠仁は再度笑いかけキスをする
「君も嘘つきだ」
本当は悟に惹かれているんだろう?
続く
オマケじゅじゅさんぽ
脹相「臭い」
悠仁「臭くない!」
脹相「臭い」
悠仁「臭くない!」
美々子「何やってんの?」
菜々子「兄弟ゲンカ?」
悠仁「夏油先生の匂いが臭いからシャワー浴びて着替えろって言うんだ」
頬を膨らませる悠仁に
脹相「臭いものは臭い。俺の弟がそんな匂いをさせているのは嫌だ」
美々子と菜々子「「殺す!」」
悠仁「ほらあ!美々子と菜々子も怒ってんじゃん!」
菜々子「あんたにもだよ。あからさまに夏油様の匂いさせて」
美々子「ムカつく」
悠仁「うえええーっ?ただ夏油先生にくっついてただけだし」
脹相「夏油の髪の匂いも嗅いでただろう?あいつ頭を洗ってないのか?」
菜々子「あんたホントにゲロムカつくわぁー!」
美々子「吊るす?菜々子」
脹相「あ"あ"ん?」
悠仁「やめろって!今のは脹相が悪いし。それに先生の匂いはいい匂いだし」
菜々子と美々子「「うんうん」」
脹相「加齢臭のどこが良いんだか。もしかしてそういう嗜好か?」
後退る脹相に
悠仁と美々子と菜々子「「「人を変態みたいに言うな!」」」
悠仁「兎に角匂い嗅いでみ?分かるから」
夏油「えーと…これは何のプレイ?」
悠仁達4人に匂いを嗅がれる夏油
脹相「お前の匂いが臭いか臭くないか皆で嗅いでいるんだ」
夏油「へえ…で、脹相は何でそんなに嫌そうなんだい?」
脹相「何が悲しくて男の加齢臭なんか嗅がないといけないんだ」
夏油「失礼な。私はまだそんな年じゃない」
悠仁「先生いくつなん?」
夏油「26歳」
悠仁「アラサーか。じゃあ加齢臭するんじゃね?いい匂いだけど」
夏油「四捨五入しすぎじゃないか?」
脹相「細かい男だな」
夏油「いや結構違うよ?」
悠仁「先生アラサーで加齢臭なん?ストレス溜まってる?」
夏油「まあ、呪霊を飲み込んでいるし、今の君の発言もあるね」
美々子と菜々子「「お前はもう口を開くな!」」
脹相「良いだろう?もうおっさんだから諦めろ」
夏油「150才の君にだけは言われたくない」
悠仁「アラサーって大変だな。加齢臭だったり、前髪がアレだったり」
夏油「………(ブチッ)」
悠仁が拳骨を食らうまで後20秒
悠仁「あだだだだ!」
じゅじゅさんぽ終わり
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