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35再焉の呪い
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虎杖悠仁が仲間である呪詛師と呪霊を裏切り呪術師側に付いた
「また罠かもしれない」
「いや、あいつの性格ならありだろ?」
「今のあいつの行動元力は兄貴と死んだ夏油だ。意見の相違か目的が変わっただけだろ?」
「夏油の奴何やってんだか…」
「あの小僧!いつまで反抗期のつもりだ!」
「ぶぅー」
「陀艮は寂しいね」
「ゆ…じ…なんで…」
「成長した!」
「どちらにしろ我々が行うのは…」
虎杖悠仁の身柄の確保
「悠仁!いい加減に拗ねるのは止めなさい!お兄さんも心配してる」
悠仁の目の前のスピーカーの様な形の呪霊が
夏油の声で悠仁に語りかける
「今なら拳骨だけで済ませて上げるから」
「何それ…」
力無く笑う
「兎に角戻ってきなさい。君は大切な…」
呪霊を祓う
「俺の中の宿儺が大切なだけだろ」
別の場所に移動する
「兎に角高専の人達に合流しよう」
東京校の2年なら話を聞いてくれる
「あっ!切れた」
呪霊を祓われた事を知りため息をつく
「困った子だね。反抗期とは」
やれやれと肩を竦める
「別に俺達はお前の味方だと言ったことはない」
壁にもたれ掛かり呪霊達の動向を見張る
「お前とは契約があるから俺は今は命令に従う」
「だったら悠仁の回収だ」
「ああ、分かってる」
脹相の表情からは何も読み取れず
「私はここに残る。君達は悠仁を回収以外は好きにしろ」
「では俺の弟たちの仇である釘崎野薔薇と乙骨憂太を殺す。これは変えられない」
「別に殺す必要はないんだけど、悠仁を回収するのに必要ならやれば良い」
「じゃあ俺もやろっと!」
「真人!」
真人も両手を合わせる
「悠仁が頼る相手が居なくなったら俺達の側に居るだろうし」
「そう簡単に行くような小僧じゃあるまいて」
「その時はその時で!」
「楽観的だな。尻を壁に埋め込んで死ね!」
「脹相、仲間にそう言うこと…まあ良いか」
去っていく呪霊を見送り
「反抗期の息子達め。これが終わったら再教育だ!」
「ナーナーミーン!ナナミーン!ナナミーン!」
バシッ
「あいた!」
七海を呼んでいた悠仁を叩き
「あ、伏黒、ナナミン」
伏黒と七海が現れる
「全く君と言う人は…呪霊から離れるのは良い選択です」
「俺、あんたらの事は許せないし、呪いになるから。でもあいつを殺したい」
「それは首謀者ですか?」
「ああ、夏油先生の仇だ」
ぎりっと歯を食い縛る
「君はまだ…いや、では伏黒君」
「はい。虎杖、今からは俺と一緒に行動だ」
「ん…ごめんナナミン…」
「いいえ。それよりこの件が終わったら殴らせろ」
「え?ナナミン何で怒っとるん?」
「呼び方!兎に角皆で帰りましょう」
「うん!」
しかしその願いは叶わなかった
七海は死に
悠仁自身も一旦死亡し宿儺が再び顕現
そして
「悠仁、悪い子だ」
悠仁は夏油と再び再会し
「ああ、脹相すまない」
憂太との対戦を中断した脹相に
「悠仁を無傷で回収の予定が傷つけてしまった。でも言うことを聞かない子供の躾にはこれくらいしないと」
悠仁の腕を掴もうとした夏油に
「俺の弟に触れるな!加茂憲倫!」
夏油に襲いかかる
「やっと分かったんだ」
「よくも!よくも!」
いつになく激昂する脹相に自身の名を名乗り
「死滅回遊で待っているよ悠仁。ちゃんと来れたらご褒美をあげる」
獄門疆を持ち去っていく
「畜生…夏油先生の体返せよ…」
「脹相、ごめん…俺失敗して」
渋谷に残り2人きりになった悠仁は謝罪する
「気にするな。それより」
傷をなぞる
「痛みはないか?」
「ん…ごめん」
「謝らなくて良い。それより男前が増したな」
微笑む脹相に
「あんたも冗談が言えるんだ」
思わず吹き出す
「俺はいつまでもお前の味方で兄だ。絶対に裏切らない」
「うん。俺も」
唇を重ねる
「だから絶対に死ぬな」
「あんたもだよ」
死滅回遊で再会した羂索
「悠仁、また強くなったなね」
「羂索…」
「別に先生でも良いよ」
相変わらずの笑顔で
「指を全部集めたんだね」
頬を撫でる
「俺から宿儺は離れた」
空中に浮かぶ4本腕の大男
「もう俺はお役御免だな」
羂索から離れようとするも
「可愛い息子であることには変わりはない」
自身の腕の中に引き込む
「心配しなくても脹相もちゃんと迎えに行かせてる。彼もまた可愛い息子だ」
キスをしようと迫る羂索を押し退ける
「天元様!」
天元の元に行こうとする悠仁だが
「天元ならここに来る。真人にここに来させるからね」
悠仁の腕を掴む
「今度は2人とも逆らわないように…」
いきなり羂索の腕が落ちる
「俺の弟に触れるなと言った筈だ!」
脹相の苅祓が羂索の腕を切り落とす
「脹相!」
素早く脹相の側に立つ
「真人はどうした?」
脹相が何かを投げ付けると
「真人」
真人の生首が足元に転がってくる
「あいつの尻は今壁と仲良く融合している」
((尻好きだな!!))
「脹相、やってくれたね!」
僅かに怒りを見せる羂索に
「次はお前だ!」
両手を合わせ構える
「ふふ…親に向かって反抗期を越えているな」
呪霊を差し向ける
「多少は痛め付けないと分からないか!」
脹相に向かってくる呪霊を
「良い加減にしろ!」
悠仁が黒閃で祓う
「俺達はあんたの子供でもおもちゃでもない!」
「君がどんなに拒絶しても血の繋がりはどうしようもない」
悠仁の頬に触れる
「君も私の愛しい子供だ」
いつもの笑顔を見せる
「…夏油先生」
「悠仁、愛してる」
あの日の笑顔だ
「ケヒヒッ!」
涙で滲んだ視界に現れる狂暴な呪い
「宿儺…」
身構える悠仁に
「小僧、指の礼がまだだったな」
自分とは似ても似つかない男
「お前の願いを叶えてやる」
指を鳴らすと羂索の体がバラバラに破壊される
「その顔だ!小僧!絶望こそが俺の求めていたものだ!」
ゲラゲラと笑う宿儺に脹相は自分の背中で悠仁を庇う
「悠仁、俺が時間を稼ぐ。お前はその間に逃げろ」
額に汗を滲ませ血液を凝縮する
「貴様なぞ1秒も持たんぞ?」
笑いながら指を合わせる
「お前が死ねば小僧はもっと絶望するなあ…」
「…やめ……」
圧倒的な暴力の前では自分達は無力で
「無力な虫けらが!」
宿儺に嘲笑される
「だから代わりに僕が居る!」
五条が割り込み攻撃を仕掛ける
「悠仁、これが終わったら正式に付き合おうね」
にこりと笑ってみせる
「ふざ…」
「ふざけるな!とっとと宿儺を祓ってこい!お前は呪術師だろうが!」
怒鳴り付けようとした悠仁に代わり脹相が怒鳴る
「ついでに良い機会だ。一緒に死んでこい!」
「酷いなぁ…まあいいや。行ってくるよ」
悠仁の額にキスをする
「絶対に迎えに行くから」
「来んで良い!」
五条と宿儺から避け
羂索の首を拾う
「死んだん?」
恐る恐る覗き込む
「久しぶり悠仁」
ふと目を開き笑いかける
「げと…せんせ…」
自然と涙が零れ落ちる
「ごめんね。君を巻き込んで」
これは羂索の術じゃない
「夏油先生謝んないでよ…俺が勝手にしたことなんだから」
いつの間にか夏油の頭の切れ目も糸も消えている
「先生大好き…大好き…」
頬擦りする
「ごめん。もう自由になりなさい」
愛してるはなかった
「先生大好き」
再び目を閉じる夏油にキスをする
「大好き!大好き!」
抱き締める悠仁を見守る脹相に
「虎杖君、脹相さん」
買い物袋を下げた憂太が現れる
「憂太さん。脹相、今は何もすんなよ」
涙をぬぐう
「俺達は目的の1つは果たした。脹相の弟達の」
「ここ」
袋を見せる
「乙骨お前ー!」
襟首を掴み、額を擦り付ける
「ごめんなさい!ちょうど良い袋がなかったから!」
「良いだろ、持ち運びしやすいし」
憂太から受け取るも不満げで
「それよりも目的は全部果たしたし、もう逃げようぜ」
「そうだな」
「あのっ!虎杖君!」
憂太を無視し去ろうとするも
「虎杖」
「伏黒」
伏黒に呼ばれるとゆっくり振り返る
「虎杖、ありがとう。で、お礼といっちゃなんだが…」
1枚の紙を渡す
「五条先生も知らない禪院家の隠れ家がある。そこで兄貴達と暮らせ」
「ありがとう。それと憂太さん」
「虎杖君、さよなら。元気でね」
手を振る憂太に
「俺…まだあんたを許せない…ごめん。でも落ち着いたら連絡する」
「俺はお前を一生許さない!」
「脹相!兎に角!また連絡はするから!皆で飯…食おうな!」
精一杯の笑顔を見せ
「またな!」
逃げて行った背中に
「宿儺様ぁーっ!」
裏梅の悲痛な叫びが響いた
「先生を取り戻したよ」
合流場所で待っていた真奈美に生首を差し出す
「ありがとうございます」
大事そうに風呂敷に包む
「夏油様は私達が責任をもって埋葬します」
頭を下げる
「お願いします」
「あんた達はこれからどうするの?良かったら一緒に」
「ううん。俺は兄貴達家族と一緒に居る」
笑顔を見せる
「お互いにさ。家族で過ごそうよ」
「そうですね。じゃあ乗りなさい。近くまで送ります」
車に2人で乗る
「先生大好き」
その呪いを抱えたまま呪いの申し子は姿を消した
終わり
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