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「今日は楽しかったー!イツキ、また来るね」
「あぁ、俺も楽しかった。またな」
「次の出勤、いつかな?明日来たらいる?」
その言葉に脳内でスケジュールを捲ってから、小さく頷いてみせる。するとユウカはにこ、と優しい笑みを浮かべてひらひらと手を振った。
「りょーかい。またね!」
ホストの仕事はやはり難しい。相手を楽しませるだけでもそう簡単ではないと言うのに。
「…今日はあいつと会う日だったよな」
プライベートのスマホに入っている連絡先はそう多くない。すぐに見つかった相手の連絡先を開いて、一言メッセージを送る。まだ仕事中なのだろう、既読がつかないことを確認してから俺は煌びやかな街に足を踏み出した。
「…ん?」
ちかちかとさっき閉じたばかりのスマホが着信を告げていて、俺はそれを右の手で開く。画面に表示された文字を見て、俺は少し苦笑した。
「あーあ。……本当、良い女だよな、お前は」
夜の街中、吐き出すように呟いたその言葉は大勢の人混みに溶けて消えた。
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