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1-⑧
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あれから課長の寝顔を眺めながら悶々とした夜を過ごし
気がつけば鳥のさえずりに
窓から明るい陽射しが入り込み、ほとんど寝てない体が朝だと理解する
伸び伸びィ~と体を伸ばせば
慣れないソファで寝たせいで体がミシミシ軋み上げた
(朝ごはんでも作るか…)
熱したフライパンに卵を落とすと、ジュッと焼ける音と鼻腔に香ばしい匂い
コトコトと味噌汁がいい感じになってきた所で豆腐を投入し
いよいよ完成
と、そんな時
ギシッと後ろから音が聞こえ、振り向けば
「…あーと、…佐和?」
「ッ!!あ、あぁああ荒木課長おはようございます!」
ボサボサ頭の荒木課長が立っていた
「ああ、おはようさん。…で、あーー悪ィ。全然憶えてねーんだけどよ、昨日…俺泊まったのか?」
「ははははいッ、そ、そうです」
「そうか、酒呑むと記憶飛んじまって。迷惑掛けたな」
「いえ、迷惑なんて……」
とんでもない
そう後に言おうとした俺の頭ん中に、昨日の事がフラッシュバックする
課長の縋る様な目が、熱さを帯びて色っぽかった事
あの『鬼』と恐れられている人がすっげぇ甘い息を吐いてキスをせがむ態度がエロくて
エロくて
そして…
「ん?どうした?」
「いッ、いえっ」
寝ている姿は子供みたいで
良い夢を見ているのか時折フワッと笑みが溢れるのを見ると、胸の奥がキュッとしたり
つい手を伸ばしてたくなって
今こうして課長を見ても
昨日の酔っ払った時の課長は同一人物には思えない
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