アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3-④
-
「図星か。ほれ誰だ?社内の人間か?」
そんな態度の俺に課長も分かったらしい
ニヤニヤと悪い笑顔をしながら探りを入れてくる
「いや、だからっ!課長それはいいですから…っ」
「同じ課の奴か?」
同じ、課……ッ
その言葉に思わず反応して顔を上げた俺と課長の視線とが合う
真っ直ぐに貫く鋭い目が、酒のせいで色っぽく見える
ほんのり赤くなった頬に、すぐ隣から感じる体温
荒木課長を見てると触りたくて仕方ない
そう思ってしまうってやっぱり……
「当たりみてぇだな?
佐和、上司様の俺だけに教えろよ?な?誰だ?」
「あ、あの…課長、……俺、俺ッ」
雰囲気に流され、口を開こうとしたその時
携帯の着信を知らせる電子音が鳴り響く
舌打ちしながら課長が電話に出るのを見て……
(待て待て待て、俺っ何ぶっちゃけようとした、おい!)
自分の軽率さに先程とは比べようがないぐらい心臓が暴れていた
「はい……は?はい、ええ、進めてますが……え?いやだから、ちょっ!!」
少し落ち着いて来た俺の耳に、今度は良くないやり取りが聞こえる
この感じからして仕事関係だと思うけど、雲行きが怪しい
「何でそんな話になって、……はい分かりました。失礼します…………ちっ!」
でもって、電話が終わった課長の態度を見て俺の予想は当たったと言えた
(機嫌悪ッ!!)
「くそがっあのボケ、話し聞かねぇでッ!」
鬼だ
鬼が降臨している
ドスの効いた声
それから地を這うような唸り声
「俺の企画、勝手に変えやがって!
あぁあーー何が営業課の処理する内容じゃねぇだっ。じゃあ、はなっから話振って来るんじゃねぇ、あーーーちくしょ~っ!!」
テーブルをバンバン叩き、よっぽど悔しい事が、腹立つ事が今の電話であったんだろう
そして…
(うわっ、ヤバい)
「佐和ぁあああ、呑むぞ!
ヤケ酒だろーがなんだろーが呑まずにいられねぇ!注げっ今日はとことん俺に付き合えッ!」
据わった目をした課長に嫌だと言う事が出来る訳もなく
言われるまま酒を注がざるを得なかった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
20 / 55