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好きが溢れる3
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「へへ、わんちゃんの手、気持ちいね」
不安げな眼差しにいつも通りの笑顔を向けたつもりが、思ったより力無い言葉になってしまった。ピピピ、と計測終了の音が服の中から聞こえ、デジタルの数字を見る。
「あれ、おれ結構やばい…?」
「38度1分か。お家の人に迎えに来てもらって病院に行った方がいいね。棕櫚くんに電話してくる」
「あ、」
「ん?どうした?」
「あ、えっと…、ここに居たら迷惑?」
「そんなこと言ってないよ。けどそっちの方が槐もゆっくり休めるでしょ?」
子供に言うように優しく諭される。自分で言った我儘になんだか恥ずかしくなった。わんちゃんに背を向けるように寝返りを打ち、顔を両腕で覆い、小さくうんと頷いた。
わんちゃんがいくら面倒見が良いからって、居心地が良くて安心するからって、友達の看病なんて流石にダルいよな。ちょっと反省。
「んーでも明日学校ないし、泊まってって良いよ」
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