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また、イく……っ、
イ…………、え……
ずる……っと抜かれた指に、長岡を見上げると目が意地悪そうに細められていた。
わざとだ。
イきそうになったから指を抜いたんだ。
「冷えてきたろ。
車行くぞ」
「…………は、い」
身体を離し自身のアウターの前を握る。
アナルがジクジクして、下っ腹が変だ。
ここでだって良い。
ケツを出したって寒いのは平気だ。
それほどまでに長岡を求めている。
なのに、その本人はそれを前に待てを出す。
確かにここはリスクが高い。
先程のように人が通る可能性だってある。
このトイレより、車の方が見通しも良くにおいだって長岡のもので満ちていて良い。
分かっている。
分かっているから頷いたんだ。
「そんな顔して外歩くのか?
いくら短い距離でも妬くぞ」
「正宗さんも、妬くんですか…?」
「普通に妬くだろ。
俺の遥登なんだからな」
手をとられ、指輪を目の前に晒された。
それを見詰める恋人の視線はやわらかさも孕んでいる。
長岡は、サディスティックなだけではない。
意地が悪い事もするし、恥ずかしい事もさせる。
けれど、それは長岡の欲だけではない。
性欲の捌け口にされている訳じゃない。
視線や言葉、態度、仕草。
すべてから愛情が伝わってくる。
心からの深いもの。
それが沼なんだ。
「正宗さんも……俺の、です」
「なら、俺の独占欲もみせてやる」
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