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走行する自動車の揺れが身体を痺れさせる。
「ふ……、」
「車の揺れも気持ち良いか」
あの後、ケツにローターを入れられ車に乗り込んだ時はそのまま車内でするのかと思った。
けれど、長岡は運転席に座りエンジンをかけるのですぐにそうではないと悟る。
そして、ケツのローターは焦らす為だと身を持って理解した。
ランダムな振動に身体をモジモジとさせ、締めたシートベルトを握る。
そうしたところで快感が逃げていってくれる訳ではないのだが、なにかを掴んでいたい。
「こんな、変態行為……」
「伊藤博文だってしたろ」
「時代が違ッ」
「まぁ、今はそこら中にラブホもあるしな。
けど、カーセックスも燃えんだろ」
「……っ」
違うと言いたいのに、三条が弱い振動に変わり唇を噛んだ。
この擽るような振動はやばい。
「あぁ、遥登の好きな動きになったのか。
ずっとそれにしといてやるよ」
「ぅ、……」
アナルを意識してしまうと腸壁がうねってローターを奥へと引き込んでしまう。
精嚢を強制的に刺激されたらきっとここでオナニーをしてしまう。
それだけは駄目だ。
まだ車は動いている。
トラックだって時々擦れ違う。
駄目。
駄目。
「……は、……」
長岡は自動車を一旦停止させるとコートのポケットへと手を伸ばし、ナニかを操作する。
ナニか、なんて考えなくなって分かる。
だって、ナカの振動が一定になったからだ。
「正宗さ……」
「あと少し焦れてろ。
そうしたら、沢山気持ち良くしてやるから」
もっと早く自宅を出られたら、今頃は沢山気持ち良くなっている頃だろうかなどと考えてしまう。
酷い妄想はとても甘く、目の前の男のモノを今すぐにでも腹に埋め込まれたくなる。
けれど、ここは公道。
せめて、どこか暗がりへと到着するまでは我慢しなくては。
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