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取り出したソレをどうする事も出来ずにいるさとは対照的に、長岡は楽しそうにアナルの縁をなぞる。
わざとらしくゆっくりと。
長岡の手は冷たくて、いやでも意識してしまうと解っているのに。
「……っ、ん」
「俺のに付けれるか」
「…はい、でも…手っ」
「手?」
「きもっ、ちくなっちゃいますから…」
「気持ちくなっちゃうんだ。
もっと気持ちくなってくれよ。
そうしてんだから」
甘い囁きは、甘い誘い。
“もっと”に生唾を飲み込んだ。
コンドームの袋を薬指小指で掴みながら、他の指で長岡の前を寛げていく。
ベルトを外し、フロントボタンを外す。
そこまでくると、再び長岡が悪戯をはじめた。
ローターのスイッチを入れたのだ。
ヴヴ……ヴ……ヴーッ、ヴッヴッ、と不規則な動きをはじめる。
次の刺激がなにかも分からず堪えるしか出来ない。
与えられる快感はとても甘美なのだが、そんなことをされていては時間ばかりが過ぎていく。
折角のセックスの時間なのに勿体ない。
「はーる。
きもち?」
「ん、…ん……」
「あー、かわいー」
頑張っててパウチを破ろうとすると止めるかのようにアナルを刺激される。
セックスしようと言ったのは長岡なのに。
意識しないようにと思うのだが、気持ち良くてそちらに気を取られる。
こんな事ではいけない。
腹に力を入れる。
端っこを指先でしっかり掴むと爪先でピッと破った。
避妊目的ではないが破れないように取り出す。
どうせ破るのに、と思うだろ。
でも、そうではない。
破るからぞんざいに扱って良い訳ではない。
まして、恋人に使用するものだ。
大切な物だから、大切に扱う。
そうして然るべきだろ。
「あーぁ、破った。
堪えらんなくて破ってって強請るかと思ったのに」
「俺だって、出来ます…っ、」
「大人だし?」
「ん、」
「じゃあ、大人なところ見せてもらおっかな」
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