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「明日は、何が食べたい?」
「うーん……、そうだな。
美月ちゃんの作るのはなんでも美味しいから迷うなぁ」
天井を見上げながら、そうだな…と考える。
好きな物。
美味しい物。
そのどれもに、家族の顔が浮かぶ。
自分の世界の中心は、やっぱりこの家らしい。
「何が良いかな。
たまご焼きと…うーん…」
全部美味しいから迷うと笑えば、今食べたい物を言えば良いのにと同じものが返ってくる。
こればかりは迷ってしまう。
「ん、ま……」
「ははっ、綾登はなに食べてるんだろうね」
「2人に似て沢山食べるから。
おかわりしてくれるようになって嬉しい」
「美月ちゃんの作ってくれるご飯は美味しいもんな」
「で、明日はなにが食べたい?」
「あ、手羽先の煮物も食べたいな。
それと、遥登と優登の好きなのも」
その方がもっと美味しいだろ。
「たまには我が儘言ったら?
なにかないの」
「じゃあ、今日は美月ちゃんの隣で寝たい」
「朝になって綾登に怒られても知らないよ」
「良いよ。
元気でなによりじゃないか」
怪獣みたいに怒ったって、元気だから出来る事。
元気にすくすく育ってくれている事が嬉しいと笑う。
起こさない様にそぅっと抱き上げ、夫婦のベッドに隣接しているベビーベッドに寝かせる。
腹に布団をかけ、敷布の上にはお気に入りのブランケット。
手にはしっかりとくろねこの友達を握り。
これで少しは怒りが減れば良いが、そうでなくとも元気ならなによりだ。
「ねぇ、美月ちゃん。
この並びの方が良くない?」
「さぁ?」
「酷い。
こんなに好きなのに」
「私も好き。
けど、綾登も好きだから」
「そういうところも好き」
兄弟がよく似た顔が愛おしい。
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