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ぐー、ぎゅるるるる…
大きな鳴き声に三条は眉を八の字にした。
「もうすぐ出来るからな」
「すみません…」
「昼も結構食って、アイス食って、まだこれだもんな。
元気でなによりだ」
レトルトのパスタソースにキノコと野菜を足し加熱している長岡は、手際よく食事の用意を整えていく。
良いにおいで、それがより一層腹を刺激する。
あぁ、本当に良いにおいだ。
「最近、食べても腹が減るんですよね…」
「成長期か?」
「それは、流石に…」
「沢山食え。
で、おっきくなれ」
「……正宗さんの身長超しちゃいますよ」
「期待してよ」
ニッと笑うその顔は、子供のように無邪気。
そしたら、キスする時に背伸びしてくださいねと続ければ、伸び代しかねぇなと返ってくる。
本当に、こればかりは伸び代に期待だ。
背伸びをする長岡を見てみたい。
いや、それより、気になることがある。
「あの、この時間に食べても大丈夫ですか?」
いつもなら、三条が自宅に帰宅してからの食事。
というか、家族との食事を終えるのを待ってくれている。
それなのにこんな早くから食べたら夜に腹が減るんじゃないか。
「平気だよ。
俺も軽く食って、また食うから」
「良いんですか…?」
「当たり前だろ。
俺が遥登と飯食いてぇんだよ。
食ってくれ」
嬉しい。
嬉しい気持ちを伝えたくて隣に並ぶと手の甲で頭を撫でられる。
長岡も同じ気持ちなんだと伝わってくる。
言葉にしなければ気持ちは伝わらない。
けれど、言葉にしなくても伝わることもある。
長岡と一緒にいると、それを実感する。
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