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舐めた手を拭くのを眺め、長岡は本当に漸く落ち着けた。
下着が濡れていようが、自身の精液のにおいが籠っていようが、この際構わない。
シートに深く身を沈めた。
性欲が解消され、ふと気付いた。
「マスクあっちぃな」
熱が籠って暑いらしくマスクを摘みパタパタと仰ぐ。
「窓開けますか?」
「遥登は寒くねぇか」
「大丈夫です」
「じゃあ、少しだけ開けさせてもらうな。
寒くなったら言ってくれ」
そして、そのままマスクをズラしお茶を煽った。
先程までの淫らな空気が微かに残っているせいか、三条はそんな姿にすらドキドキする。
やっぱり飲食も三大欲求なんだと。
「なに見てんだよ。
えっちぃ」
「……えっちは、正宗さんです」
「俺のどこがえっちなんだよ。
清く正しい男の子だろ」
「全部です…。
あんな……あんなえっちなの……」
「お、語彙力下がってんな。
遥登も興奮してくれたか」
「……そりゃ…」
「遥登は大丈夫か?
コンビニ行けるか」
「平気です。
あ、正宗さんがえっちじゃなかったと興奮しなかったとか、そういう事ではありませんよ。
すっごくえっちでした」
「力説すんなよ…」
「大切ですよ」
長岡は手を伸ばし、三条のマスクをズラした。
「顔真っ赤にして」
「っ!」
「頑張ってくれたんだろ。
ありがとな」
「ど、ういたしまして」
「んじゃ、コンビニ行くか」
「はい」
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