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Vol.Ⅱ【6】★
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その男は、
それから2回も僕の中に入ってきて、
僅かについた腹筋の上と、
ゴムの中に欲望を解き放った。
週末の疲れと、
性欲が落ち着いたのとで、
ソファーで煙草を吸う男の存在を忘れる程、
呆然と天井を仰ぐ。
【カケル】は僕の偽名。
【アユム】=【歩夢】だから、
なんとなく反対の意味にしたくて、
【カケル】=【駆流】にした。
この業界の男達が集う行き着けのバーで、
数年前からセフレを探し見つけては、
性欲だけをぶつけ合う時間を数えきれない程過ごしてきたけど。
ここのところ、
解放感よりも虚しさの方が強く残ってしまう。
『カケルもいつかは、
オレのセフレじゃなくなるのかな。』
『僕はひとつの場所に留まることはしたくないから。
いずれはパートナーを解消するのは確かだね。』
『…。』
チラリと横目に男を見ると、
項垂れながら煙草の火を揉み消していて、
すっかり恋に破れた空気を醸し出している。
名の知れた大会社の部長だなんて、
この姿を見て誰が想像出来るだろう。
社内ではみんなに慕われているようなことを言っていたけど、
この人は人の上に立つ位置は向いていないと僕は思う。
誰かの言いなりになったり、
指示を仰いで従う立場なら安泰で居られるはず。
これまでの僕との関係のように。
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