アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
Vol.Ⅱ【8】
-
{Side S}
『なぁ、シノブ?』
『んー?』
『このシミなんだけどさ。
落ちないんだよねぇ。』
次の日の昼前ー。
店頭をバイトに任せた俺達は、
預かっている品物の作業をひたすらこなしていると、
アイロン掛けしている俺の元へ、
バーチーが神妙な顔をして寄ってきた。
『あー、これか。
俺も実は、
預かった時にちょっと引っ掛かってたんだよね。』
『そーなん?
どーゆーこと?』
『んー。
これってたぶん、
体液っつーかなんつーか、
性的な液体っつーかさ。』
『おいおい、
つーかつーか、ウケるんだけど。
しかしまぁ、
やっぱそれだよな。
でもこれ、男モノのトラウザーだよな?
しかもシミの位置が…。』
『あーあー、ほらっ、
あんま詮索するのはよくないからさ。
とりあえずこっちの薬液で試してみてくれるか?』
『あぁ、解った。』
詮索したくなる気持ちは解るよ、
バーチー。
俺なんて、
このお客様と知り合いなんだから、
バーチーより数倍は気になっている。
昨日の寝る前だって知らぬ間に考えていて、
アユムくんが何者なのかとあれこれ想像してしまった。
トラウザーに精液のシミ。
しかも、
前ではなく後ろ。
そして、
それは1ヶ所だけじゃなく、
股下から下に飛び散るように付着している。
プレス作業に戻って、
ハンガーに掛けたYシャツにアイロンを当てながら、
アユムくんの姿を思い出す。
華奢で色白で繊細な雰囲気は、
相手が男だとしても、
虜にしてしまうのかもしれない。
実際に俺の目にだって、
その辺の男とは違うカラーを彼は持っていると感じていて。
『あ…。』
そうか、
きっとアユムくんは…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
9 / 25