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Vol.Ⅲ【5】
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『あーサッパリしたっ!
アユムくん、
先にロッカーに行ってるよー。』
『はい、もうすぐ出ます。』
¨♪♪♪~¨
鼻歌なんか歌っている。
僕の動揺は気付かれなかったようだけど。
ここから出てしまったら、
この動揺に拍車が掛かるのは目に見えていて。
それでも出ないわけにはいかないから、
棚に置いた下着を身に付けて、
バスタオルを肩に羽織り、
そっとシャワールームを出て更衣室へと向かう。
右へ曲がるとロッカーが並んでいて、
僕の荷物がある方の通路へ入り、
また驚かされた。
幾つものロッカーがここには存在するのに、
奇遇すぎる程僕のロッカーのすぐ近くに、
シノブさんの背中が立ちはだかっていたから。
奇遇に驚いたのと、
その背筋の美しさのせいで、
ロッカーに急いで片手をついた。
『…。』
『おー、ロッカー近かったんだ。
そうそう、これ、トラウザーね。』
『ありがとう、ございます…。』
背を向けたままでよかったのに。
まともに顔を見れなくなった上に、
足元から震えまで上がってきた。
ジムに通う必要が無いくらい、
綺麗に鍛え上げられている体なのに、
何でここに通っているんだよ。
『??
アユムくん、やっぱ具合悪い?
顔色が悪い気がするんだけど。』
『何とも無いです…。』
『そう?
唇も青いよ?
ちょっとエアコン効きすぎてるかもね。』
言いながら、
シノブさんの左手が伸びてきて、
反射的に後退りしてしまった。
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