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答えられない
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広菜は最近、というか今日から、好きな人?に猛アタックしていて、僕たちのところに来ない。…って言って、多分瑛兎がなんか言ってくれたのかな、とも少し思ってる。遠めに。
申し訳ない気もするけど……。
僕と瑛兎が2人で昼休みに廊下を歩いていたら目の端に宇河先輩が映った。
隣には、綺麗な女の先輩。見ていてお似合いだった。何故かついつい目でぼーっと追ってしまう。
「…おーい、律?りっちゃん?」
そんな僕に気づいたのか目の前に手をかざす瑛兎。
「え、あ、え、何?なんかあった?」
瑛兎の方を向くと瑛兎は逆にさっき僕が見ていた先を見て、ふうん?とだけ言ってじーっと見てきた。
「…あ、あの…瑛兎さん?なしたの…?」
背中に冷や汗をかきつつも恐る恐るそう聞いてみる。
「…あー、ちょっとついてきて」
腕を強く掴まれて連れていかれたのは多目的室。
ひ、ひえ……、何する気…なんだよ…、怖いわ…。多目的室の窓、ドアの両方のカーテンを閉め切ってドアの鍵を閉めて
「………あのさ、律がどんな目で奴を見てるか、わかる?」
瑛兎は近づいて、突然そんなことを聞いてきた。かなり、かなーり真面目に。
え、…どんな、目……?
「なんの…こ、と……ン、」
聞く隙もなく瑛兎が唇で塞いできた。強引で、すぐに舌を絡ませてきた。苦しくなってトントンと瑛兎の胸を軽く叩く。
それでも瑛兎は続けて、数秒してからようやく唇を離してくれた。
「…はぁ…、な、なんで…」
思わず涙目になって尋ねる。
僕、なんかした…?気に触るようなこと…
「………俺と、先輩が話してるとき、律が悲しそうな顔してて、もしかして嫉妬してくれてんのかなーとも思ったんだけど、なんか引っかかって。んでさっき、廊下歩いてたとき他の奴が通っても見向きもしなかったのにあの先輩通ったら追っかけてた。…気づいてないと思った?俺が嫉妬深いのも悪いけどさ…。」
瑛兎は寂しそうに笑ってこちらを見てきた。
………気づかれてた…。
けど、そんな…頼れる先輩、ってだけで…。
言葉が喉につまる。
激しい頭痛とともに
"……本当にそれだけなの?"
そんな声が聞こえた気がした。
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