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ヤキモチ
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「 なぁ 、 なぁってば」
相変わらず聞いてくる瑛兎。
「...具合、悪いの僕。寝させて」
布団から顔を出すと瑛兎が見えて泣きたくなるから布団を頭で被ってそう呟いた。
「……そか、じゃあ、また明日な」
そう撫でて言って出ていった。
…苦しい、暎兎に言った方がよかったのだろうか。本当に、広菜は、瑛兎のことが、好きではないのだろうか。
そんなことが、ずっと、ずっと頭の中で回っている。ぐるぐるしてる。
素直じゃなくてごめんなさい。
*
明日になった。学校行きたくない。
うー…と1人でベッドの中で唸ってたら瑛兎が起こしに来た。
「…ほら、何やっとん. 行くよ」
ケラッと笑って布団を剥がしてくる。
かっこいい、最近ほんと、好きって自覚してからフィルターかなんかが掛かって、余計かっこよく見える。好きすぎる、つらい。
瑛兎を見ると、広菜を思い出す。それがつらい。
のそのそと身支度を終えてる間に瑛兎は外で待っている。
「…遅れてごめん」
パンを口に挟んだままそう言って2人で登校。
今日こそ言おう…言おう、広菜と瑛兎が一緒にいるとモヤモヤするって、あまり話さないでって。
…でも、それって俺の自己満だよな…。そう言った後に、瑛兎は広菜にどんな態度をとる?
近づくなって?それじゃあひどすぎる。でもどうしたらいいんだろう?どうすれば……。
「…なーに百面相してんだよ」
爽やかに笑って頭を撫でてくる瑛兎。
好きだよ、好きなんだよ…ほんと。
「別に」
それだけ言って、結局登校時には広菜のことは言わなかった。
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