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プロローグ
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某国、某所にて。男はノートパソコンを片手にいきつけのコーヒーショップにいた。送られてきた資料を読みながら、ミルクたっぷりのカフェオレを口にする。
へー、面白い経歴じゃん。
表向きは日本の大企業ハナムラグループの執行役員かつ子会社ハナムラコーポレーションの営業部長。だがその実態は裏社会の組織ハナムラの始末屋である。少年時代はドイツで暗殺組織の一員だった過去もある。
なかなかのイケメンだな。まあ、俺には負けるけどね。
添付されている写真を見れば、青い目に黒い髪。目鼻立ちがくっきりとしており、長身で手足も長いモデル体型だ。
でも、ガキが恋人ってのはいただけないなぁ。
彼の隣には幼い顔立ちの少年が常にいる。長身の彼と違って小柄で真ん丸の目が可愛らしいが、それをかき消すように右頬の傷痕がくっきり残っている。
つーか、いくつ離れてんだ? 犯罪レベルだろ、これ。
などと思ったものの、やってることを考えると大したことはない。
まあいいか。暇潰しには持ってこいだな。
メッセージに返信を送り、男はサングラスをかけて立ち上がる。
「何か嬉しいことでもあった?」
店を出ようとすると、顔見知りの店員が声をかけてきた。
「久しぶりに大きな仕事を請け負ったものでね」
しばらく来れなくなると言って、男は笑った。
「仕事なら仕方ないわね。また暇になったら来て頂戴」
「オーケー。また来るよ」
店を出てすぐ、男はスマートフォンを耳に当てた。
「俺だ。仕事で日本へ行くことになった。それ相応の準備を頼みたい。資料はメールで送る。今回はいつも以上に入念に頼むよ」
電話を切って歩き出すと、全身が浮き足立っているのがわかる。同業者を相手にするのは心が踊る。相手が強ければ強い程、気持ちが高ぶるから。
俺を失望させてくれるなよ、エーデルシュタインのK。
男はスキップしそうな勢いで駆け出した。
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