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歪な愛⑤
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《キヨside》
今日は四人実況を撮る日だ。
だが、レトさんはいつになっても来ない。
昨日はレトさんと通話をした。
そのとき、レトさんは「明日久々やね、楽しみやわ〜」
とか可愛らしい素直な言葉を言ってくれて、俺も微笑ましくなったんだ。なのにドタキャン?そんな筈ない。
うっしーがレトさんの家へ確認に行ってくれた。
俺はただ、ガッチさんと事故の可能性などの話をした。
うっしーが帰ってきて、3人で待っていた時、
レトさんからLINEがきた。
───え?
なに、これ?
レトさんが殴られ、涙目になりながら嗚咽をしている。
しかも、腕は後ろに縛られていて、体を拘束され、身動きが出来ていない。なんだよ、これ。
グループLINEに送られてきた動画を3人で見た瞬間、全員が言葉を発していなかった。
驚きで何も言えなかった。
「え、ねえ、これ…レトさんだよね?」
牛「……なんだよこれ、拉致か?」
ガ「一旦電話をかけて安否確認しよう」
2人は冷静だった。
俺はというと、レトさんの苦しそうな顔を見て、心臓がバクバクと鳴っているだけ。レトさんが何故拉致られてるんだ、?なんでこんな目に?
電話は通じた。
レトさんへ3人で声をかける。
「さっきの動画何!?今どこにいるの!?」
レ『あ、あれは──』
レトさんの声だ。生きてる。
安心したのもつかの間、銃声がスマホ越しに聞こえる。
3人で顔を見合わせる。
レ『ッい゛っっ!!、!?あ゛っ…かはっ…』
「レトさん!!レトさん!?」
こんな声、初めて聞いた。
息をするのも大変そうに、叫び声と嗚咽音、かひゅっ、という喉の音が聞こえる。
2人も大きな声でレトさんへの安否を確認し、
ガッチさんが警察に電話しようとするがレトさんを人質に取られる。これではどうしようも無いと思った時、犯人達が場所を教えてきた。
明らかな罠…。だけど、行くしかない。
「レトさん…っ!大丈夫?俺らがすぐそこに行くからね!!」
そう言うと、レトさんは来ちゃダメだと苦しそうに答える。自分より俺らの身を案じてるんだ。
馬鹿、レトさんの馬鹿。まじで俺らがレトさんのことどれだけ好きかわかってないんだ。
俺らはうっしーの車に乗り、その倉庫へと向かう。
倉庫に着くのは最短であと1時間…。道の混み具合を考えると、それ以上はかかりそうだ。
うっしーとガッチさんはイライラしている。
いつもならこんな渋滞でイライラしたりはしない。だが、今怒っている理由は、きっとレトさんの身の危険に気付けなかったからだろう。
それは、俺も同じだった。
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